市議会議会運営委員会による行政視察報告
2024年02月11日
鈴木洋一 at 11:03 | 活動
昨年の10月(改選後)より、私は長野市議会議会運営委員会に所属をしております。議会運営委員会への所属は2度目となりますが、今回は会派の代表という役割を担っての所属となっており、緊張感をもって臨んでおります。
この議会運営委員会による管外への行政視察が今月(2月)の5日~7日まで3日間行われました。昨今の低投票率、市民と議会のかかわり方等、今、課題に直面している状態です。他市の取り組みを参考としながら、活かしていかなければなりません。
視察した神奈川県藤沢市、京都府福知山市、そして、滋賀県長浜市、それぞれの議会での取り組み等、視察報告をさせていただきます。
<令和6年2月5日(月) 藤沢市議会>
1.広報広聴委員会
(1)平成25年1月施行の議会基本条例に基づき、広報広聴委員会が設置された。同委員会は議会だよりの発行に加え、議会報告会の開催、模擬議会開催等を所掌している。
(2)カフェトークふじさわ
それまでの議会報告会における課題(ex、年齢層の偏り、特定の参加者に発言が集中、市政に対する苦情が多く、建設的な議論になりにくい等)の解消に向け、ワールドカフェ方式(カフェトークふじさわ)を採用。
他者の意見への批判は厳禁とするなど、ルールを設け、和やかな雰囲気での意見交換とすべく工夫がなされている。地域と団体に分け、それぞれ開催し、地域については、市内をまんべんなく巡回。
(3)ワールドカフェ実施後の取り組み
当日のアンケート集計、分析、出された意見等を報告書にまとめ、広報広聴委員会にて市長への提言等を協議している。
(4)関東学院大学成瀬ゼミ
大学ゼミとの連携が大きな転換点となったと思われる。ゼミ生がファシリテーターとなり、意見交換を進行し、課題であった年齢層の偏りの改善につながり、更に、参加者の満足度が従来方式28%から88%に大幅に上昇するなど、踏襲ではなく、新たな発想と大学との連携による開催が市民への関心度を高めた、と推察する。
2.議員提案による条例
(1)議員の政策立案機能強化と条例の提案により積極的な政策提言を行うために、政策検討会議を設置。これにより、3人以上の議員での政策提案ができる。議会運営委員会での承認が得られれば、検討会議で条例の原案作成等が行われる。
(2)こうした取り組みは、議員の資質向上、政策提案能力の向上につながり、市民生活の向上に議会が果たす役割が更に増すこととなる。
<令和6年2月6日(火) 福知山市議会>
1.議会基本条例
(1)条例の柱
平成25年4月、①情報公開の推進、②市民参加の推進、③議会の機能強化を柱とした議会基本条例が制定された。
(2)情報公開の推進
①役職選出の所信表明
正副議長のみならず、常任委員会委員長選出において所信表明を行い、更に、委員会における副委員長の所信表明を行う点について、正副委員長の役割や自覚と責任を背負う意味では、画期的であり、役職の権威を高める取り組みである。
2.市民参加の推進
(1)議会報告会
平成23年より、地域及び団体を対象として開催してきた。平成27年度から対話形式で自由な意見交換を行っている(わいわいミーティング)
藤沢市同様、幅広い世代が、いろいろな意見を述べられ、偏った参加者とならないような工夫を凝らし、誰でも気軽に参加できるよう、広報広聴委員会が主体となり運営されている。約2か月の準備期間を設け、春と秋の年2回開催している。
(2)出張委員会
議会基本条例において、市民の積極的な傍聴を募るため、本庁舎以外で常任委員会が開催できるように定められている。
(3)行政視察研修報告会
視察して終わりではなく、市民への報告を通じ、視察から得た事項を明らかにするとともに、自らの取り組みへ如何に活かしていくのかについて、議会内での発展的な議論につながるのではないか。
他に、高校生フレッシュ議会の開催等の取り組みから、同市議会への市民と関心を高める姿勢を強く感じるところである。
3.議会基本条例の検証評価
(1)平成24年12月に制定された同条例について、活動の実績、実現できているか、今後のあるべき姿について、現在、3回目の検証が行われている。長野市議会における条例の検証等について検討していくできではないか。
<令和6年2月7日(水) 長浜市議会>
1.議会活性化の主な取り組み
(1)平成27年9月、広報広聴委員会設置、平成28年1月、市議会だより音訳版発行、平成29年1月から10月、議会基本条例の検証、結果を踏まえた議論、令和4年8月に通年議会への移行等の取り組みを行ってきた。
(2)議会基本条例の検証
滋賀県市議会議長会がパートナーシップ協定を締結している龍谷大学の教授との意見交換や、検証作業に取り組む研修会の開催、検証結果への助言等、外部有識者との連携が図られている。
検証の結果、3項目について、改善や拡充は必要とまとめられ、対応原案の作成、全員協議会での周知により、議会全体として議会基本条例が重んじられていると受け止めた。
検証の過程において、個々の議員の考え方の差、認識度合、自己研鑽の必要性等といった課題が明確になるなど、議会全体の資質能力向上につながるものだと考える。
(3)広報広聴委員会と市民との意見交換会
平成26年11月、議会活性化検討委員会からの答申により、議会広報紙、ホームページ、意見交換会等を充実させる目的で広報広聴委員会が設置された。
市民との意見交換会は、平成26年1月から開催されており、第11回目となった平成30年11月からワールドカフェ方式を採用し、市交流センター、支所において2回開催された。今日まで、第1部として予算や決算の審査内容の報告、第2部でテーマを設けワールドカフェでの意見交換としている。更に、高校生を対象としたオンラインでの意見交換、子育て関係団体を対象としたワールドカフェでの意見交換を実施してきた。
以上は、広報広聴委員会が主体となり運営し、委員がファシリテーターを務めており、委員以外の議員は傍聴という形での参加となっている。
以上です。3市議会での視察から、①議会基本条例の検証、②広報広聴委員会の設置(役割を明確にした上で)、③誰もが参加しやすく、意見が言いやすい、各地域へ出向いた地位での開催、団体等からの意見交換する機会を設けた開催に向けた検討の必要性を強く感じました。
これから、長野市議会議会運営委員会、そして、議会活性化検討委員会等で長野市議会のこれからの取り組みについて、議論を進めてまいります。
この議会運営委員会による管外への行政視察が今月(2月)の5日~7日まで3日間行われました。昨今の低投票率、市民と議会のかかわり方等、今、課題に直面している状態です。他市の取り組みを参考としながら、活かしていかなければなりません。
視察した神奈川県藤沢市、京都府福知山市、そして、滋賀県長浜市、それぞれの議会での取り組み等、視察報告をさせていただきます。
<令和6年2月5日(月) 藤沢市議会>
1.広報広聴委員会
(1)平成25年1月施行の議会基本条例に基づき、広報広聴委員会が設置された。同委員会は議会だよりの発行に加え、議会報告会の開催、模擬議会開催等を所掌している。
(2)カフェトークふじさわ
それまでの議会報告会における課題(ex、年齢層の偏り、特定の参加者に発言が集中、市政に対する苦情が多く、建設的な議論になりにくい等)の解消に向け、ワールドカフェ方式(カフェトークふじさわ)を採用。
他者の意見への批判は厳禁とするなど、ルールを設け、和やかな雰囲気での意見交換とすべく工夫がなされている。地域と団体に分け、それぞれ開催し、地域については、市内をまんべんなく巡回。
(3)ワールドカフェ実施後の取り組み
当日のアンケート集計、分析、出された意見等を報告書にまとめ、広報広聴委員会にて市長への提言等を協議している。
(4)関東学院大学成瀬ゼミ
大学ゼミとの連携が大きな転換点となったと思われる。ゼミ生がファシリテーターとなり、意見交換を進行し、課題であった年齢層の偏りの改善につながり、更に、参加者の満足度が従来方式28%から88%に大幅に上昇するなど、踏襲ではなく、新たな発想と大学との連携による開催が市民への関心度を高めた、と推察する。
2.議員提案による条例
(1)議員の政策立案機能強化と条例の提案により積極的な政策提言を行うために、政策検討会議を設置。これにより、3人以上の議員での政策提案ができる。議会運営委員会での承認が得られれば、検討会議で条例の原案作成等が行われる。
(2)こうした取り組みは、議員の資質向上、政策提案能力の向上につながり、市民生活の向上に議会が果たす役割が更に増すこととなる。
<令和6年2月6日(火) 福知山市議会>
1.議会基本条例
(1)条例の柱
平成25年4月、①情報公開の推進、②市民参加の推進、③議会の機能強化を柱とした議会基本条例が制定された。
(2)情報公開の推進
①役職選出の所信表明
正副議長のみならず、常任委員会委員長選出において所信表明を行い、更に、委員会における副委員長の所信表明を行う点について、正副委員長の役割や自覚と責任を背負う意味では、画期的であり、役職の権威を高める取り組みである。
2.市民参加の推進
(1)議会報告会
平成23年より、地域及び団体を対象として開催してきた。平成27年度から対話形式で自由な意見交換を行っている(わいわいミーティング)
藤沢市同様、幅広い世代が、いろいろな意見を述べられ、偏った参加者とならないような工夫を凝らし、誰でも気軽に参加できるよう、広報広聴委員会が主体となり運営されている。約2か月の準備期間を設け、春と秋の年2回開催している。
(2)出張委員会
議会基本条例において、市民の積極的な傍聴を募るため、本庁舎以外で常任委員会が開催できるように定められている。
(3)行政視察研修報告会
視察して終わりではなく、市民への報告を通じ、視察から得た事項を明らかにするとともに、自らの取り組みへ如何に活かしていくのかについて、議会内での発展的な議論につながるのではないか。
他に、高校生フレッシュ議会の開催等の取り組みから、同市議会への市民と関心を高める姿勢を強く感じるところである。
3.議会基本条例の検証評価
(1)平成24年12月に制定された同条例について、活動の実績、実現できているか、今後のあるべき姿について、現在、3回目の検証が行われている。長野市議会における条例の検証等について検討していくできではないか。
<令和6年2月7日(水) 長浜市議会>
1.議会活性化の主な取り組み
(1)平成27年9月、広報広聴委員会設置、平成28年1月、市議会だより音訳版発行、平成29年1月から10月、議会基本条例の検証、結果を踏まえた議論、令和4年8月に通年議会への移行等の取り組みを行ってきた。
(2)議会基本条例の検証
滋賀県市議会議長会がパートナーシップ協定を締結している龍谷大学の教授との意見交換や、検証作業に取り組む研修会の開催、検証結果への助言等、外部有識者との連携が図られている。
検証の結果、3項目について、改善や拡充は必要とまとめられ、対応原案の作成、全員協議会での周知により、議会全体として議会基本条例が重んじられていると受け止めた。
検証の過程において、個々の議員の考え方の差、認識度合、自己研鑽の必要性等といった課題が明確になるなど、議会全体の資質能力向上につながるものだと考える。
(3)広報広聴委員会と市民との意見交換会
平成26年11月、議会活性化検討委員会からの答申により、議会広報紙、ホームページ、意見交換会等を充実させる目的で広報広聴委員会が設置された。
市民との意見交換会は、平成26年1月から開催されており、第11回目となった平成30年11月からワールドカフェ方式を採用し、市交流センター、支所において2回開催された。今日まで、第1部として予算や決算の審査内容の報告、第2部でテーマを設けワールドカフェでの意見交換としている。更に、高校生を対象としたオンラインでの意見交換、子育て関係団体を対象としたワールドカフェでの意見交換を実施してきた。
以上は、広報広聴委員会が主体となり運営し、委員がファシリテーターを務めており、委員以外の議員は傍聴という形での参加となっている。
以上です。3市議会での視察から、①議会基本条例の検証、②広報広聴委員会の設置(役割を明確にした上で)、③誰もが参加しやすく、意見が言いやすい、各地域へ出向いた地位での開催、団体等からの意見交換する機会を設けた開催に向けた検討の必要性を強く感じました。
これから、長野市議会議会運営委員会、そして、議会活性化検討委員会等で長野市議会のこれからの取り組みについて、議論を進めてまいります。