一般質問で登壇しました
2024年09月13日
鈴木洋一 at 08:20 | 活動
会期中の長野市議会9月定例会において、去る9月11日、一般質問(個人質問)を行いました。
今回私が取り上げたテーマは大きく3つ、洪水時における指定緊急避難所及び自主避難所、そして、河川整備についてです。
いづれも、私が初当選以降、最重要テーマの一つとして、継続して取り組んでいる事項です。気候変動の影響で、台風の大型化、梅雨前線の影響等、犀川と千曲川を擁している長野市にとって、市民の生命と財産を守り抜く上で、対策の強化は待ったなし、だと考えています。
質問の要旨を掲載いたします。(質問時では、割愛している文脈があります。長野市議会HPで映像をご覧いただければ幸いです)
以下、質問要旨となります。
令和6年6月定例会一般質問で「洪水時における避難場所等の選定、開設」について質問したところ、「本市は人口の多い平地部を中心に浸水想定区域が広範囲となるため、避難場所等を確保するには、安全性が確認できる限りにおいては、浸水想定区域内の指定緊急避難場所、避難所は必要である」との答弁があった。
また、令和元年東日本台風災害対応検証報告書は「推定した避難者数に応じて、できるだけ多くの避難場所・避難所を開設する」べき、との改善策を示している。
災害時における避難場所の開設は、市民の命を直接まもる最も重要な手段であることから、引き続き、避難場所及び自主避難所に関して伺う。
1.指定緊急避難場所等について
(1)浸水深5M未満について
本市が策定した「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」によれば、更北中学校は指定緊急避難場所に選定できるのではないか、と質問した。それに対し、「3階以上の条件付きで選定することについて検討する」との答弁であった。例として挙げた更北中学校含め、浸水深2m以上5m未満の施設選定について、その後の、検討状況について伺う。
(2)浸水深5M以上について
ア:現状について
本市の「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」は、構造基準を満たした上で、浸水深5M以上の場合は4階以上の施設について指定できる、としているが、この基準に合致する施設はあるのか。仮に、無い、とか、少ない、ということであれば、現状について、本市はどう受け止めているのか。
※災害時における避難場所の開設は、市民の命を直接まもる最も重要な手段である。市が策定し、基準を示した以上、何らかの対応策を打ち出すことは行政の責務と、受け止めていただかなければならない。
イ:指定緊急避難場所の高さ基準について
内閣府策定の「指定緊急避難場所の指定に関する手引き」は、指定緊急避難場所について、管理条件と立地条件を満たすことを基本としているが、仮に、立地条件を満たさない場合であっても、異常な現象に対して、安全な構造であることと、想定水位以上の高さに受け入れ部分があり、かつ、有効な経路があれば、避難者の身が安全に守られ、緊急時の避難場所として指定しても特段の支障は生じないものと考えられる」としている。つまり、浸水想定区域における施設を評価する場合、最も重要なポイントとなるのは、高さなのである。
そのため、本市の「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」で示している2階、3階、4階に加え、相当する高さ(m)を基準として示すべきではないか。それにより、浸水想定区域内における避難場所確保の可能性が期待できると考えるが。
※より多くの指定緊急避難場所を確保することが、市民の命を守る上での最も重要な手段なのだ。
ウ:ホワイトリングについて
先の高さの考え方に基づき、ホワイトリングの指定緊急避難場所選定の可能性を、私なりに建物の階数と高さの関係について、図面に基づき検証してみると、浸水深5Mから10M未満に所在するホワイトリングの場合、3F客席部分では約11Mと推計され、想定水位以上の高さに避難スペースがあるものと考える。(参考までに、東日本台風災害時の本市における浸水域は約1、541ha、浸水深は推定値で最大約4.7Mであった)
洪水災害の場合、より安全な避難場所への移動が前提だが、ホワイトリング周辺の地域住民は、身近な緊急避難場所を切に希望している。
構造条件と高さ基準を満たしていると思われるホワイトリングを指定緊急避難場所として活用することを、強く提案する。
※正確に検証し、条件に合致していれば指定すべきである、何よりも命を守ることを優先しなければならない。
2.自主避難所について
(1)行政の支援について
「長野市地域防災計画(第2章災害予防)の10、避難の受入活動計画」及び「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」には、「指定緊急避難場所のほかに、住民等が身の安全を確保するために、まず駆け込む施設等について、住民自治協議会等と民間施設との協定により確保するための支援を行う」とあり、更に、「地域防災計画(第3章災害応急)避難の基本方針」の項には、「住民は地区で自主的に開設した避難所、(自主避難所)等に避難する」とあるが、地域自らが自主避難所を開設しようとした場合、行政はどうのように関与し、どのように支援をするのか。
(2)行政の関与と開設基準
令和元年東日本台風災害時に市内で開設された23カ所の自主避難所の内訳は、浸水想定区域内で15カ所、そのうち、浸水深5M以上の地域内では7カ所、5M未満で8カ所、浸水想定区域外で7カ所となっていた。これは、市民は、より身近な避難場所を求めている、と受け止めたが、こうした実態をどう捉えているのか。
福井県あわら市は、区長・自主防災リーダー・施設管理者向けに「自主避難所運営手引き」を作成し、洪水等の災害が発生する恐れがあるとき、また、警戒レベル3~5といった情報を待たずに避難を希望する市民のための一時的な避難場所として自主避難所を位置付けている。
更に、市民から自主避難したい、との要請が市に寄せられた場合、市は、自主避難所開設を区長等に要請する、としており、行政の関与において、自主避難所を明確に一時的な避難場所と位置付けているのだ。
台風19号の教訓と市民の命をまもるという行政の使命を踏まえ、自主避難所について、選定基準3「地域の実情に応じた選定」の中に、行政の責任において、地域住民の意見を十分に踏まえ、地域にある公共施設等の安全性とリスクを確認し、共有した上で、「駆け込む施設」として明確に位置付け、自主避難所開設基準と運用手引き等を策定すべき、と考えるが。
※避難収容活動計画における「まず駆け込む施設等について、住民自治協議会等と民間施設との協定により確保するための支援」や「地区で自主的に開設した避難所」との表現は、住民の命を守る責任を区長等に委ねていることになるのではないか。地域への丸投げではないか。市民の安全をまもることは、行政の使命だ。
3.河川整備について
6月定例会において、更北地区内における犀川右岸の浸食と千曲川右岸の土砂堆積による狭窄化について、流域住民から水害リスクの高まりを心配する声が寄せられていると申し上げた際、市長は、私の質問に対し、「水害被害を助長する要因を把握し、市全体で共有することは重要。千曲川河川事務所と連携し、河川の状況を把握していく。治水事業は優先度の高い事業である。長野治水対策研究会、流域治水協議会などを通じて取組を深める。各同盟会が一体となって千曲川、犀川での治水事業のさらなる促進について国に強く働きかけを行っていく」と答弁された。
台風10号による災害を鑑みると、改めて、整備の遅さに危機感を憶える。早急に、より具体的な対策を講じる必要があると考えるが。
※更北地区内の犀川は高水敷がやせ細っており、千曲川では狭窄化しており、窮屈な川となっているのだ。
以上となります。私の問題意識について、市長はじめ担当部には共有していただけたと思いますが、まだまだ、実現に向けては、課題がありうそうです。私も、更なる調査を続け、市民の生命と財産を守り抜くために、取り組んでまいります。
今回私が取り上げたテーマは大きく3つ、洪水時における指定緊急避難所及び自主避難所、そして、河川整備についてです。
いづれも、私が初当選以降、最重要テーマの一つとして、継続して取り組んでいる事項です。気候変動の影響で、台風の大型化、梅雨前線の影響等、犀川と千曲川を擁している長野市にとって、市民の生命と財産を守り抜く上で、対策の強化は待ったなし、だと考えています。
質問の要旨を掲載いたします。(質問時では、割愛している文脈があります。長野市議会HPで映像をご覧いただければ幸いです)
以下、質問要旨となります。
令和6年6月定例会一般質問で「洪水時における避難場所等の選定、開設」について質問したところ、「本市は人口の多い平地部を中心に浸水想定区域が広範囲となるため、避難場所等を確保するには、安全性が確認できる限りにおいては、浸水想定区域内の指定緊急避難場所、避難所は必要である」との答弁があった。
また、令和元年東日本台風災害対応検証報告書は「推定した避難者数に応じて、できるだけ多くの避難場所・避難所を開設する」べき、との改善策を示している。
災害時における避難場所の開設は、市民の命を直接まもる最も重要な手段であることから、引き続き、避難場所及び自主避難所に関して伺う。
1.指定緊急避難場所等について
(1)浸水深5M未満について
本市が策定した「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」によれば、更北中学校は指定緊急避難場所に選定できるのではないか、と質問した。それに対し、「3階以上の条件付きで選定することについて検討する」との答弁であった。例として挙げた更北中学校含め、浸水深2m以上5m未満の施設選定について、その後の、検討状況について伺う。
(2)浸水深5M以上について
ア:現状について
本市の「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」は、構造基準を満たした上で、浸水深5M以上の場合は4階以上の施設について指定できる、としているが、この基準に合致する施設はあるのか。仮に、無い、とか、少ない、ということであれば、現状について、本市はどう受け止めているのか。
※災害時における避難場所の開設は、市民の命を直接まもる最も重要な手段である。市が策定し、基準を示した以上、何らかの対応策を打ち出すことは行政の責務と、受け止めていただかなければならない。
イ:指定緊急避難場所の高さ基準について
内閣府策定の「指定緊急避難場所の指定に関する手引き」は、指定緊急避難場所について、管理条件と立地条件を満たすことを基本としているが、仮に、立地条件を満たさない場合であっても、異常な現象に対して、安全な構造であることと、想定水位以上の高さに受け入れ部分があり、かつ、有効な経路があれば、避難者の身が安全に守られ、緊急時の避難場所として指定しても特段の支障は生じないものと考えられる」としている。つまり、浸水想定区域における施設を評価する場合、最も重要なポイントとなるのは、高さなのである。
そのため、本市の「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」で示している2階、3階、4階に加え、相当する高さ(m)を基準として示すべきではないか。それにより、浸水想定区域内における避難場所確保の可能性が期待できると考えるが。
※より多くの指定緊急避難場所を確保することが、市民の命を守る上での最も重要な手段なのだ。
ウ:ホワイトリングについて
先の高さの考え方に基づき、ホワイトリングの指定緊急避難場所選定の可能性を、私なりに建物の階数と高さの関係について、図面に基づき検証してみると、浸水深5Mから10M未満に所在するホワイトリングの場合、3F客席部分では約11Mと推計され、想定水位以上の高さに避難スペースがあるものと考える。(参考までに、東日本台風災害時の本市における浸水域は約1、541ha、浸水深は推定値で最大約4.7Mであった)
洪水災害の場合、より安全な避難場所への移動が前提だが、ホワイトリング周辺の地域住民は、身近な緊急避難場所を切に希望している。
構造条件と高さ基準を満たしていると思われるホワイトリングを指定緊急避難場所として活用することを、強く提案する。
※正確に検証し、条件に合致していれば指定すべきである、何よりも命を守ることを優先しなければならない。
2.自主避難所について
(1)行政の支援について
「長野市地域防災計画(第2章災害予防)の10、避難の受入活動計画」及び「指定緊急避難場所・指定避難所の選定基準」には、「指定緊急避難場所のほかに、住民等が身の安全を確保するために、まず駆け込む施設等について、住民自治協議会等と民間施設との協定により確保するための支援を行う」とあり、更に、「地域防災計画(第3章災害応急)避難の基本方針」の項には、「住民は地区で自主的に開設した避難所、(自主避難所)等に避難する」とあるが、地域自らが自主避難所を開設しようとした場合、行政はどうのように関与し、どのように支援をするのか。
(2)行政の関与と開設基準
令和元年東日本台風災害時に市内で開設された23カ所の自主避難所の内訳は、浸水想定区域内で15カ所、そのうち、浸水深5M以上の地域内では7カ所、5M未満で8カ所、浸水想定区域外で7カ所となっていた。これは、市民は、より身近な避難場所を求めている、と受け止めたが、こうした実態をどう捉えているのか。
福井県あわら市は、区長・自主防災リーダー・施設管理者向けに「自主避難所運営手引き」を作成し、洪水等の災害が発生する恐れがあるとき、また、警戒レベル3~5といった情報を待たずに避難を希望する市民のための一時的な避難場所として自主避難所を位置付けている。
更に、市民から自主避難したい、との要請が市に寄せられた場合、市は、自主避難所開設を区長等に要請する、としており、行政の関与において、自主避難所を明確に一時的な避難場所と位置付けているのだ。
台風19号の教訓と市民の命をまもるという行政の使命を踏まえ、自主避難所について、選定基準3「地域の実情に応じた選定」の中に、行政の責任において、地域住民の意見を十分に踏まえ、地域にある公共施設等の安全性とリスクを確認し、共有した上で、「駆け込む施設」として明確に位置付け、自主避難所開設基準と運用手引き等を策定すべき、と考えるが。
※避難収容活動計画における「まず駆け込む施設等について、住民自治協議会等と民間施設との協定により確保するための支援」や「地区で自主的に開設した避難所」との表現は、住民の命を守る責任を区長等に委ねていることになるのではないか。地域への丸投げではないか。市民の安全をまもることは、行政の使命だ。
3.河川整備について
6月定例会において、更北地区内における犀川右岸の浸食と千曲川右岸の土砂堆積による狭窄化について、流域住民から水害リスクの高まりを心配する声が寄せられていると申し上げた際、市長は、私の質問に対し、「水害被害を助長する要因を把握し、市全体で共有することは重要。千曲川河川事務所と連携し、河川の状況を把握していく。治水事業は優先度の高い事業である。長野治水対策研究会、流域治水協議会などを通じて取組を深める。各同盟会が一体となって千曲川、犀川での治水事業のさらなる促進について国に強く働きかけを行っていく」と答弁された。
台風10号による災害を鑑みると、改めて、整備の遅さに危機感を憶える。早急に、より具体的な対策を講じる必要があると考えるが。
※更北地区内の犀川は高水敷がやせ細っており、千曲川では狭窄化しており、窮屈な川となっているのだ。
以上となります。私の問題意識について、市長はじめ担当部には共有していただけたと思いますが、まだまだ、実現に向けては、課題がありうそうです。私も、更なる調査を続け、市民の生命と財産を守り抜くために、取り組んでまいります。