プロフィール
鈴木洋一
鈴木洋一
鈴木洋一プロフィール

昭和44年5月生まれ
昭和57年3月 長野市立下氷鉋小学校卒業
昭和60年3月 長野市立更北中学校 卒業
昭和63年3月 長野県長野南高等学校卒業(3期生)
平成5年 3月 法政大学経済学部経済学科卒業
平成5年 4月 フレックスジャパン株式会社入社
平成21年10月フレックスジャパン株式会社退社
平成21年11月衆議院議員しのはら孝事務所入所
平成27年 9月長野市議会議員選挙 初当選
令和元年 9月長野市議会議員選挙 再選(二期目)
令和5年 9月長野市議会議員選挙 再選(三期目)

主な役職(これまで)
衆議院議員しのはら孝公設第一秘書
フレックスジャパン㈱労務部責任者
長野市放課後子どもプラン推進委員会委員(平成23年~25年)
平成24年度三本柳小学校PTA副会長
平成25年度丹波島公民館会計部長
平成26年度丹波島育成会会長
第18期長野市農業委員会委員

主な役職(現在)
長野県長野南高等学校同窓会会長
保護司
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水道事業広域化調査研究特別委員会行政視察の報告

2024年02月11日

 鈴木洋一 at 10:50 | 活動
 2月も半ばを迎えております。長野市議会では、毎年1月~2月にかけて4つある特別委員会による管外への行政視察を行っております。
先月(1月)、22日~24日の3日間、私が所属している長野市議会水道事業広域化調査研究特別委員会で、広島県水道事業広域連合企業団、千葉県のの取り組み、千葉県のかずさ水道広域連合企業団、群馬県にある群馬東部水道企業団の視察を行いましたので、視察の報告をいたします。

1.視察先:広島県水道事業広域連合企業団
<概要>
同企業団は、広島県と県内14市町により、令和4年11月に設立され、令和5年4月、県から水道用水事業と工業用水道事業を、14市町から水道事業を承継し、水道サービスの提供を開始した。同企業団は、事業ごとに会計、料金を区分し経営している(経営の一体化)

<経緯と過程>
人口減少に伴う料金収入の減、施設の老朽化に伴う更新費用の増、技術力の継承等の課題に対処し、経営基盤の強化を図り、持続可能な水道事業とするために、平成28年10月より、県が主導しながら、広域連携を有効な方策とする視座で検討を進めてきた。
検討開始から1年半経過後、県と県内すべての水道局で広域連携協議会が設置され、その1年半後に統合に参画しない市町を除く市町と県による統合推進方針が示され、検討開始から概ね5年後の令和3年4月、基本協定が締結された。

<取り組み状況>
 地方自治法に基づき、令和5年度から14年度までの広域計画を策定し、施設の再編整備、危機管理対策、業務運営に取り組んでいる。
 施設の再編整備は10年間で1908億円の投資を計画し、更新需要を平準化しながら計画的に更新を進めている。
 危機管理対策として、施設の強靭化、バックアップ機能強化を、基幹管路の耐震化では年1.9%の更新率を目標に進めている。
 業務運営に関しては、サービス、業務及び制度の統一、コスト縮減に取り組むとともに、DXの推進により業務の効率化を図っている。

<効果>
 令和8年度以降は単独経営を上回る利益を見通し、また、今後、料金改定は避けられないものの、単独経営による料金上昇を抑制できるとの見通しを立てている。
 施設整備では、再編整備や維持管理によるコスト縮減、また、統合による国交付金活用により、水道事業、水道用水供給偉業、すべての事業での効果が得られると見込んでいる。

<所感>
 同事業団が「経営の一体化」の形態としたのは、料金統合のシミュレーションができなかったから、との事である等、各市町における実情等がある中での広域化への調整の困難さを窺い知った。そうした状況において、広域化が実現に至ったのは、県の主導があったからだ、と受け止めた。
 広域化計画に基づき、各事業が進められ、また、基幹管路更新率の目標値が示されているが、現実は厳しい、とのこと。精緻なシミュレーションや収支計画が必要であるとともに、計画策定段階の料金等を含めた数値は絶対ではないことに留意する必要がある。

2.視察先:かずさ水道広域連合企業団
<概要>
 かずさ水道広域連合企業団は、木更津、君津、富津、袖ケ浦の4市のおける水道事業と、千葉市及び市原市を加えた6市への水道用水供給事業を、平成31年4月より行っており、5年目を迎えている。
 現在、セグメント会計を導入しているが、水道料金の統一を目標としている。

<経緯と過程>
平成19年度、県内水道経営検討委員会より、20年以内に事業一元化への提言を受け検討が開始された。平成25年、国からの補助金、交付金の活用が可能となるとのことから、県含め4市において統合広域化の方向性について合意が図られ、翌年、統合協議会を発足させた。しかし、その後、交付金や水道料金に関して纏まらない期間があった。平成29年に県が協議会に参画し、平成31年4月の事業開始に至った。
4市における老朽管の割合、石綿セメント管、排水池の耐震化率等、施設の状況は大きく異なっているなど安定給水の継続や、収益的収支の悪化等の経営面における危機感等の課題に直面していた。

<取り組み状況>
 基本計画に基づき、統合広域化に伴い活用できる交付金や各市からの出資金等を財源としながら、老朽管については、統合前の平成27年の42.0%から令和4年度35.0%といった改良事業を進めている。また、施設の統廃合事業では、29箇所の水源と9箇所の施設を廃止し、更に、君津市域に現在100ある施設の統廃合に向けた検討をしている。
 管理体制について、市域毎に異なっていた業務フローの統一と効率化を図り、工事の効率化と品質の確保に向けた取り組みを行っている。

<効果>
 老朽管更新について、計画(年1.2%)を下回っているものの、統合前の平均0.7%を上回る年1.0%以上の更新を維持できている。課題としていた技術承継に関し、40歳以下の各市からの派遣職員を対象とした身分以降の実施や、積極的な職員採用等により平均年齢が5歳ほど若返る等、独自職員確保は図られている。
更新事業費では、施設の統廃合により27.7億円の削減となり、今後、更に削減を見込んでいる。また、交付金の活用等により、自己財源支出の抑制につながっている。

<所感>
 同企業団設立には、広島県同様、県による関与が大きいと感じる。事務局長は、広域化を進める上で必要なこととして、モノ、ヒト、カネを強調され、印象的であった。効率性等が求められる中であっても、人員削減では効果を生むことができなかった、また、財政シミュレーションが進まず、2年の時間を要した等、当時のご苦労が伝わってきた。令和11年に料金統一の予定とのことだ。
上田・長野間における水道事業広域化の検討では、精緻な財政シミュレーションを考慮した上で、令和19年度に料金統一との案が示されているものと受け止めたい。また、専門人材の確保と育成における効果が示されているが、コスト削減や業務の効率化を図りつつも、安易な人員削減を行うことなく、ヒトによって事業の成果が変わる、ことを認識する必要がある。

3.視察先:群馬東部水道企業団
<概要>同企業団は、利根川及び渡良瀬川に面する水資源に恵まれた地域に所在し、太田市、館林市、みどり市、板倉町、明和町、千代田町、大泉町、邑楽町の3市5町により構成されている。
 各市町で人口減少に伴う収入減、施設の老朽化への対応に要する財源確保等の課題に直面する中、それまで水道事業について協議を行っていた「両毛地域水道事業管理者協議会」において、平成21年度、広域化に向けた議論が始まり、平成28年4月、企業団の事業が開始された。

<経緯と過程>
 各構成団体の課題であった給水量減少、水道施設の老朽化、給水収益の減少、更新費用増加等の課題の解決に向け、事業統合(広域化)の検討が始まった。概要の通り、「両毛地域水道事業管理者協議会」での検討から始まり、当初は、桐生市、栃木県足利市、佐野市も協議に加わっていた。その後、地域の実情等により、現在の構成団体3市5町の枠組みが完成し、平成24年5月、8構成団体首長会議、7月に「群馬県東部水道広域研究会」が設立され、翌年以降、基本構想、基本計画が策定され、平成26年4月、水道統合準備室の設置、平成28年4月、同企業団による事業が始まった。
 基本構想・計画を策定する過程で、広域化による改善可能な事項を分析した結果、過度な投資の抑制や災害に対するリスクマネジメント、コスト削減等の改善が図られる、との整理がなされた。

<取り組み状況>
 平成28年度、3市5町の浄水場の廃止、配水場化を行い、業務の効率化と施設の有効活用を進めた。更に、現在、6つの施設を廃止し、4施設を排水浄化による事業統合に取り組んでいる。また、令和2年度、県企業局の2浄水場が譲渡され、垂直統合による施設の更なる有効活用が図られている。
 同企業団は官民連携の推進を掲げ、平成28年、明電舎グループとの出資により官民出資会社「(株)群馬東部水道サービス」を設立した。同社の第三者委託、包括業務委託、DB方式、CM方式による官民連携による取り組みは、水道事業の継続性や安定性の確保、民間の活力を活かした事業展開、技術の継承、公益性の確保に大きく貢献していると推察する。

<効果>
 事業計画において、施設再構築による統廃合、国庫補助活用による投資額、包括業務委託拡充による人件費等により、平成27年度から令和6年度までの10年間で総額139億円の削減効果を見込む。
 収益的収支において、単独の場合、既にすべての団体が赤字に転落している、との推計であったが、広域化により、令和10年度までの黒字確保を見込んでいる。また、官民連携の推進で、マンパワーの充実が図られている。

<所感>
 現在の同企業団の職員数が50人とのことだが、(株) 群馬東部水道サービスとの官民連携による業務スキームが構築されており、財政状況、施設能力の向上、技術の承継、品質及びサービスの向上に繋がっているのではないか。
また、官民連携は、雇用を含め、地域経済への貢献が大きいと推察する。官民連携により、先の視察箇所と異なり、群馬県が関与せずとも事業開始に至ったこと、また、今日まで事業計画に沿った健全な事業の展開に繋がっているのではないか、と受け止めた。

 以上となりますが、現在、長野県、上田市、千曲市、坂城町、そして長野市において、水道事業の広域化に関する研究会が設けられ、研究が進められています。新年度、いよいよ、より具体的な検討に入るために、協議会の設立を目指し、取り組まれています。
 私たちの生活に欠くことができない大事なライフラインである水道事業は、安全で安心、そして、安定的な供給が求められています。様々な課題はありますが、特別委員会での更なる調査研究を通し、市民への説明、そして、水道事業のあり方等、取り組んでまいります。


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