長野市議会3月定例会 代表質問その5 保健所について
2021年03月20日
鈴木洋一 at 09:40 | 活動
1都3県に出されている緊急事態宣言が、新規感染者数で8割以上減少となっていること、病床のひっ迫では病床使用率が解除の目安となる50%を下回っていることなどから、3月21日で解除されることとなりました。
宣言解除後の感染の再拡大を防止のために、政府は5つの柱からなる対策を発表しました。
1、飲食を通じた感染防止、
2、変異したウイルスの監視体制の強化、
3、感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施、
4、安全で迅速なワクチン接種、
5、次の感染拡大に備えた医療体制の強化
他方、県が3月18日、長野市を含む長野圏域について県独自の警戒レベルを4に引き上げたことを踏まえると、緊急事態宣言解除の影響が長野医療圏へどのような影響が及ぶのか、危惧するところであります。
これまで、感染拡大によりPCR検査、保健所業務における目詰まりなどについて数々の指摘がなされてきました。新型コロナウイルスのように感染症防止の面から保健所の果たす役割は大きなものがあります。この1年の検証と今後の保健所機能に関して、次のように質問しました。
6.コロナ禍と今後の保健所機能について
公衆衛生と保健所の歴史を振り返ってみますと、日本は終戦直後の死亡理由のトップが結核でありましたが、衛生環境の改善、特効薬の開発などを受け、1950年代には死亡理由の上位から姿を消しました。代わりに悪性新生物など、非感染症疾患が疾患の中心となり、感染症対策は医療制度における主要な関心事ではなくなってきました。
感染症法が1999年に施行され、SARSなどの感染症の発生に伴い、2003年10月に改正、更に2007年、結核予防法と統合され、保健所法については1994年に、半世紀ぶりに大改正する形で、地域保健法が制定、このとき広域的な視点が必要な感染症対策よりも住民の生活に根差した健康づくりが重視されることとなりました。
新型コロナウイルス感染症対応業務で、保健所が実際に担っている役割は、住民や関係機関からの相談、医療機関への受診調整、医療機関から患者発生届による積極的疫学調査、検体の搬送と結果確認、自宅療養者、濃厚接触者への健康観察と支援、感染予防の普及、啓発、市内の感染状況の把握、分析、PCR検査実施体制の調整役など多岐にわたっていると思います。
その結果、保健所に業務が集中し職員を疲弊させており、2020年7月の東京新聞社説は、再流行に備え、分担と連携に知恵を絞り、保健所が積極的疫学調査に専念できるよう外部機関との連携、協力を進める必要があると指摘しております。
地方財政対策は感染症対応業務に従事する保健師の恒常的な人員体制強化を打ち出し、感染症対応業務に従事する保健師を現在の1,800名から2021年度に2,250名、2022年度に2,700名と、2年間で1.5倍に増員するとしていますが、単なる人材や財源の充実だけではなく、保健所がやるべきことを明確にすることと、業務の効率化をはかる必要があり、現在はコロナ禍の渦中にあるので、感染状況に合わせた社会的検査の強化により、地域内感染源を絶つことと、積極的疫学調査によりクラスターを追跡し、感染を封じ込めることが最優先課題だと考えます。
そこで伺います。
(1)長野市は2月18日から新型コロナウイルス変異株を見極めるために、市内の新規感染者のスクリーニング検査を実施するとの報道ですが、変異株が見つかった場合の感染拡大防止のための対策について伺います。
(2)長野市は、医療機関等との連携と役割分担の見直しにより、それぞれが果たす役割を明確にし、保健所は社会的検査や積極的疫学調査に専念できるような体制を構築すべきではないでしょうか。
(3)今後の保健師充実に向けた計画は策定されているのか。また、国の1.5倍増加目標に対して、人員増の予定はあるのか、答弁を求めます。
<保健所長>
新型コロナウイルスの変異株が見つかった場合の対応についてでありますが、この変異株かどうかに関わらず、新型コロナウイルスということで、基本的には同じ対策、対応を取っていくことになるわけですけれども、変異株ですので、感染拡大防止をより徹底して行うということが必要になりますので、国からの通知においては、症状の有無に関わらす、変異株の感染者の方は全員入院をしていただく、それから退院に当たっては、症状だけではなくて、2回のPCR検査を確実に行って陰性確認をする、こういった厳しい対応が追加をされてございます。
また、濃厚接触者以外の接触者につきましても、幅広く検査を行って、この変異株の感染拡大をより徹底して検査をするようにという方針が示されておりますので、当然ながら本市においても同様の対応を取ることとしてございます。
積極的疫学調査等の業務に専念できる保健所の体制についてでありますが、議員御指摘いただきましたけれども、この新型コロナ感染症に関する業務、保健所で様々担っておりますけれども、非常に多岐にわたっております。
一方、医療機関においては、感染者の方の診療、検査、治療、こういった医療行為となりますので、議員御懸念されている医療機関と保健所との役割分担につきましては、既に明確にされておりますし、会議等の開催を通じまして、両者の連携もはかってきているところでございます。
また、感染者が増加をいたしました場合には、保健所の組織であります保健センターや、場合によっては全庁的に他部局の職員の応援も得まして、積極的疫学調査など、増大した保健所業務を迅速かつ適切に対応してきたところでありまして、今後も医療機関との役割分担、連携、それから全庁体制による保健所業務の推進を通じて、感染拡大防止に努めてまいりたいと考えております。
次の保健師の充実についてでありますが、本市では平成15年以降、保健師に関する活動指針と人材育成マニュアルを作成いたしまして、保健師活動の充実に計画的に取り組んできているところでありまして、当然なから、その中に感染症業務の向上も盛り込まれているところであります。
そうした中で、感染症対策業務を担当する保健師の増員をというお話がございました。私とも通常の感染症業務としては、担当4人の保健師を基本に対策を取ってまいりましたけれども、昨年からの新型コロナ感染症に関する業務量が増大してございますので、先ほどのとおり、保健センターや他部局の保健師も含めて、市の中の保健師や職員を総動員して対応に当たってまいりました。
しかしながら、国の方針として、今回そうした保健師の増員といったことも示されましたので、私どもとしても、感染症業務を中心になって進められる保健師を更に育成するため、今年度退職者2人予定されておりますけれども、来年度の採用、内定者は6人の保健師ということにして、保健師の採用を増やす中で、この感染症業務に当たる保健師の増員も、若干になるかと思いますけれども、増員を検討しているところであります。
<鈴木の所感>
先に発生した市内事業所における「集団感染」への対応では、長野市は3月19日までに従業員など全397人の検査を終えた、とのことです。答弁にあるように、これまでも、感染者が増加した際、保健センター、更に、全庁で職員の応援を得ながら積極的疫学調査などで迅速かつ適切に対応してきた、とありました。今般もこれまで同様に、積極的疫学調査が行われたものと受け止めています。
しかしながら、緊急事態宣言の解除、市内での感染拡大への兆候を考えると、常に、体制を検証しながら整え、どんな状況となっても目詰まりを起こさない対応が求められると考えます。
宣言解除後の感染の再拡大を防止のために、政府は5つの柱からなる対策を発表しました。
1、飲食を通じた感染防止、
2、変異したウイルスの監視体制の強化、
3、感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施、
4、安全で迅速なワクチン接種、
5、次の感染拡大に備えた医療体制の強化
他方、県が3月18日、長野市を含む長野圏域について県独自の警戒レベルを4に引き上げたことを踏まえると、緊急事態宣言解除の影響が長野医療圏へどのような影響が及ぶのか、危惧するところであります。
これまで、感染拡大によりPCR検査、保健所業務における目詰まりなどについて数々の指摘がなされてきました。新型コロナウイルスのように感染症防止の面から保健所の果たす役割は大きなものがあります。この1年の検証と今後の保健所機能に関して、次のように質問しました。
6.コロナ禍と今後の保健所機能について
公衆衛生と保健所の歴史を振り返ってみますと、日本は終戦直後の死亡理由のトップが結核でありましたが、衛生環境の改善、特効薬の開発などを受け、1950年代には死亡理由の上位から姿を消しました。代わりに悪性新生物など、非感染症疾患が疾患の中心となり、感染症対策は医療制度における主要な関心事ではなくなってきました。
感染症法が1999年に施行され、SARSなどの感染症の発生に伴い、2003年10月に改正、更に2007年、結核予防法と統合され、保健所法については1994年に、半世紀ぶりに大改正する形で、地域保健法が制定、このとき広域的な視点が必要な感染症対策よりも住民の生活に根差した健康づくりが重視されることとなりました。
新型コロナウイルス感染症対応業務で、保健所が実際に担っている役割は、住民や関係機関からの相談、医療機関への受診調整、医療機関から患者発生届による積極的疫学調査、検体の搬送と結果確認、自宅療養者、濃厚接触者への健康観察と支援、感染予防の普及、啓発、市内の感染状況の把握、分析、PCR検査実施体制の調整役など多岐にわたっていると思います。
その結果、保健所に業務が集中し職員を疲弊させており、2020年7月の東京新聞社説は、再流行に備え、分担と連携に知恵を絞り、保健所が積極的疫学調査に専念できるよう外部機関との連携、協力を進める必要があると指摘しております。
地方財政対策は感染症対応業務に従事する保健師の恒常的な人員体制強化を打ち出し、感染症対応業務に従事する保健師を現在の1,800名から2021年度に2,250名、2022年度に2,700名と、2年間で1.5倍に増員するとしていますが、単なる人材や財源の充実だけではなく、保健所がやるべきことを明確にすることと、業務の効率化をはかる必要があり、現在はコロナ禍の渦中にあるので、感染状況に合わせた社会的検査の強化により、地域内感染源を絶つことと、積極的疫学調査によりクラスターを追跡し、感染を封じ込めることが最優先課題だと考えます。
そこで伺います。
(1)長野市は2月18日から新型コロナウイルス変異株を見極めるために、市内の新規感染者のスクリーニング検査を実施するとの報道ですが、変異株が見つかった場合の感染拡大防止のための対策について伺います。
(2)長野市は、医療機関等との連携と役割分担の見直しにより、それぞれが果たす役割を明確にし、保健所は社会的検査や積極的疫学調査に専念できるような体制を構築すべきではないでしょうか。
(3)今後の保健師充実に向けた計画は策定されているのか。また、国の1.5倍増加目標に対して、人員増の予定はあるのか、答弁を求めます。
<保健所長>
新型コロナウイルスの変異株が見つかった場合の対応についてでありますが、この変異株かどうかに関わらず、新型コロナウイルスということで、基本的には同じ対策、対応を取っていくことになるわけですけれども、変異株ですので、感染拡大防止をより徹底して行うということが必要になりますので、国からの通知においては、症状の有無に関わらす、変異株の感染者の方は全員入院をしていただく、それから退院に当たっては、症状だけではなくて、2回のPCR検査を確実に行って陰性確認をする、こういった厳しい対応が追加をされてございます。
また、濃厚接触者以外の接触者につきましても、幅広く検査を行って、この変異株の感染拡大をより徹底して検査をするようにという方針が示されておりますので、当然ながら本市においても同様の対応を取ることとしてございます。
積極的疫学調査等の業務に専念できる保健所の体制についてでありますが、議員御指摘いただきましたけれども、この新型コロナ感染症に関する業務、保健所で様々担っておりますけれども、非常に多岐にわたっております。
一方、医療機関においては、感染者の方の診療、検査、治療、こういった医療行為となりますので、議員御懸念されている医療機関と保健所との役割分担につきましては、既に明確にされておりますし、会議等の開催を通じまして、両者の連携もはかってきているところでございます。
また、感染者が増加をいたしました場合には、保健所の組織であります保健センターや、場合によっては全庁的に他部局の職員の応援も得まして、積極的疫学調査など、増大した保健所業務を迅速かつ適切に対応してきたところでありまして、今後も医療機関との役割分担、連携、それから全庁体制による保健所業務の推進を通じて、感染拡大防止に努めてまいりたいと考えております。
次の保健師の充実についてでありますが、本市では平成15年以降、保健師に関する活動指針と人材育成マニュアルを作成いたしまして、保健師活動の充実に計画的に取り組んできているところでありまして、当然なから、その中に感染症業務の向上も盛り込まれているところであります。
そうした中で、感染症対策業務を担当する保健師の増員をというお話がございました。私とも通常の感染症業務としては、担当4人の保健師を基本に対策を取ってまいりましたけれども、昨年からの新型コロナ感染症に関する業務量が増大してございますので、先ほどのとおり、保健センターや他部局の保健師も含めて、市の中の保健師や職員を総動員して対応に当たってまいりました。
しかしながら、国の方針として、今回そうした保健師の増員といったことも示されましたので、私どもとしても、感染症業務を中心になって進められる保健師を更に育成するため、今年度退職者2人予定されておりますけれども、来年度の採用、内定者は6人の保健師ということにして、保健師の採用を増やす中で、この感染症業務に当たる保健師の増員も、若干になるかと思いますけれども、増員を検討しているところであります。
<鈴木の所感>
先に発生した市内事業所における「集団感染」への対応では、長野市は3月19日までに従業員など全397人の検査を終えた、とのことです。答弁にあるように、これまでも、感染者が増加した際、保健センター、更に、全庁で職員の応援を得ながら積極的疫学調査などで迅速かつ適切に対応してきた、とありました。今般もこれまで同様に、積極的疫学調査が行われたものと受け止めています。
しかしながら、緊急事態宣言の解除、市内での感染拡大への兆候を考えると、常に、体制を検証しながら整え、どんな状況となっても目詰まりを起こさない対応が求められると考えます。
長野市社会体育館の有料化について
令和6年度予算案が可決となりました
3月定例会一般質問
令和6年長野市議会3月定例会開会
市議会議会運営委員会による行政視察報告
水道事業広域化調査研究特別委員会行政視察の報告
令和6年度予算案が可決となりました
3月定例会一般質問
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