長野市議会3月定例会で登壇
2017年03月06日
鈴木洋一 at 21:17 | Comments(0) | 活動
6日、市議会3月定例会個人質問で登壇しました。今回は質問時間19分(答弁含まず)と、これまでの持ち時間と比較しても長く、質問原稿を作成する際にも苦労しました。2月は、会派視察、後援会新年会、議会前の勉強会、理事者側からのレク、会派新聞作成、そして個人質問に向けた準備、と精神的にもかなり追い込まれたものでありました。それでも、何とか本日、個人質問を無事に?終えることが出来ました。
以下、質問原稿を掲載します。(時間の関係で省略した箇所もあります)
1.防災分野
ア: タイムライン(事前防災行動計画)について伺います。
昨年3月に、「長野市洪水タイムライン案」が作成されましたが、その半年後には、タイムラインが実際に運用される事態に直面することになりました。具体的には、8月下旬から10月中旬にかけて上陸した台風第7号、第11号、第9号、第10号が、前線を刺激し大雨となり、長野市内において、避難準備、避難勧告が発令されたからです。タイムラインは、台風などが発生してから上陸するまでの間のそれぞれの役割と「いつ・何を・誰が」の3要素を明確にした対応行動を、細部に渡り規定するものであり、そのポイントは台風や集中豪雨などの場合に、災害が起こった時には既に避難を完了していなければならない、ということにあります。
そこで伺いますが、昨年の台風の際に、「長野市洪水タイムライン案」が目的通りに運用されたのでしょうか、また、運用されたのであれば、その時のオペレーションや定めた内容等について何か改善すべき点があったのか、昨年の実態について伺います。
イ:防災教育について伺います。
先月2月4日に真島小と同校PTAの主催で4年生による防災教育の活動報告会「だんごむし広場」と慶応義塾大学環境情報学部、大木聖子准教授の講演会が開かれました。昨年度と今年度の2年間に渡り、大木先生の研究室と真島小の4年生が連携し、防災教育の取り組みが行われてきました。報告会では、児童が校区内を自ら歩きながら危険な箇所を探して作成した「危険度別防災マップ」と、消火栓が多いなどの「良いところマップ」等が発表され、地区内外から参加した多くの方々が熱心に耳を傾けておりました。また、慶応の研究生からは、保護者に行ったアンケート結果が報告され、一例ですが、非常持ち出し袋を備えた家庭が1年前と比較して3倍以上に増えるなど、児童の防災教育を通じて各家庭の防災意識が高まった、という発表がありました。
大木先生は「長野市には長野盆地西縁断層(セイエンダンソウ)が走っており、地震のリスクが存在している地域であることから、日本一、防災教育に熱心な地域になってほしい」という思いで真島小との防災教育に取り組んだとのお話しをされておりました。また、防災教育の現状について「定められた教科書が無い中で、学校の先生がそれぞれ工夫して授業を行っている。充分な学習時間を確保できないことや、学校の先生自身も、体系だった防災教育を受ける機会がなかったことから、手探りで取り組まれている」と指摘しておりました。
私もこの報告会に参加したことで、水害、震災等、いつどこで起こるか分からない災害から自分の身を守るためには、小学校における防災教育が大変有意義であることを知ると共に、2年目にあたる今年度は、地域の積極的な協力もあり、まさに地域全体への防災教育に繋がっていると感じました。そこで3点伺います。
(1)、学校における防災教育の体制を構築するために、小学校の教職員を対象に、定期的に専門家による防災講座を開催すべきと考えるが如何か。
(2)、真島小学校は、防災おたより「月刊だんごむし」を使い、朝の学活等を利用し、担任の先生による毎月10分間のミニ授業を行ってきた、とのことです。防災教育について、大木先生は、災害発生時に、自分の命は自分で守る、という認識のもと、そのための行動が自然に取れるという基本が身に付くことと、付随して、防災教育を通して子どもの成長を促すとともに、家族で防災について話し合う時間が持てることから、家族全員の防災意識が高まる、といった様々な効果が期待出来るものである、とのお話しでした。私も大変感銘をうけましたが、真島小のような試みを本市のそれぞれの小学校でも取り組むべきではないか、横展すべきではないか、と考えますが如何か。
(3)、更に、長野市における防災教育を根付かせるために、各小学校において、小学生と地域住民を対象にした、専門家による年1回の防災教育講座を持ったらどうか、と考えますが如何か。
以上の通り、小学校を防災活動の拠点として位置付けることは、地域全体の防災意識を高めていくことに繋がる、有効な施策だと考えますが、3点についてご所見を伺います。
2.消防団員支援について伺います。
本市消防団員の待遇改善については、これまで、議会で幾度となく取り上げられておりますが、報酬については依然として、全国平均を2万円弱、下回っております。(分団長 年額50,500円に対し年額36,000円、団員 年額36,500円に対し年額18,000円)、しかしながら、本市としては、平成26年に退職報奨金を一律50,000円に引き上げるとともに、平成27年度には消防団員の報酬を各階級一律に2,000円増額するとともに、また、消防団運営補助金の交付や(一律131,180円に実人員×490円分を加算して補助金として交付)、出動手当の支給などにより、処遇改善に努力されていることは理解しております。
一方、本市の消防団員(条例第2条 団員の定員は、3,430人)の構成実態を見ると、充足率こそ99.5%とほぼ定員を満たしておりますが(3,412人 99.5%)、団員の平均年齢は41.8歳と、所謂、働き盛り、子育て世代、家族との時間を大事にしたい世代の方々が中心となっている、という実態が見て取れます。
同様の観点から、消防団員数と被雇用者団員比率について、平成7年と現在を比較した全国的な数字をみてみると、団員数では(975,512人に対し856,278人と)13%弱減少するとともに、被雇用者団員比率は64,9%から72.9%と8%増加しております。これらの数字から、現在の消防団の多くは、企業や社会の中心となっている被雇用者から構成されていることが分かります。そのためなのか、新規団員の勧誘にあたっては、入団を拒否されたり、また途中で退団される方が増えてきている、といった課題に直面していると聞いておりますが、その理由として、『仕事と両立できない』『プライベートを大事にしたい』などが挙げられております。こうしたことを考えると、これまでの旧来からある、「地域で育まれてきた伝統や個人の崇高な奉仕の精神」だけを頼りにしていては団の維持、運営が困難になるのではないかと危惧しております。最前線で、自分の時間を割きながら活動するためには団員であるご主人、お父さんを支える家族の理解が不可欠だと考えます。実際、日ごろの消防団活動を行うにあたって、家族の理解を得るのにも苦労している、という声を聞いております。家族の理解こそが大事であります。こうした課題に対し、長野県では、『信州消防団員応援ショップ事業』を始めました。
そこで、本市としても、お父さんが、消防団活動をやっていて良かったと家族が感じることができるような支援を、県に上乗せして行ったらどうか、と考えます。具体的には、本市の公共施設利用促進の意味も含めて、芸術館、動物園、博物館、スポーツ施設等を利用する際の割引等であります。
危機事案に対し、危険をかえりみずに取り組んでいただいている団員とその家族に対し、出来る範囲での支援に取り組むべきではないか、と考えますが、ご所見を伺います。
3.次に、都市計画マスタープランについて伺います。
ア: 都市計画マスタープラン素案の中の「地域別街づくり構想」において、川中島・更北地域の土地利用の課題を、①長野南バイパス等の広域的な幹線道路沿いは、店舗等の無秩序な立地による環境の悪化を防止するため、計画的な立地誘導が必要、また、②農地や自然環境と住宅地が調和した土地利用、更に、③農業的な土地利用が主な地区では、農地保全を図るとともに、体験型農業や6次産業化等の農業振興に必要な施設の立地が可能な土地利用を検討する、と整理されております。
その川中島・更北地区に所在する真島地域は、市街化調整区域であるとともに農業振興地域であることから、開発が抑制されております。果樹を中心に農業が盛んな地域でありますが、農業就業者の高齢化が進むなどにより、人口が増加している更北地区内の中でも唯一減少する地域となっております。そのため、地域の将来について、多くの住民が不安を感じているのですが、その不安の要因は、はっきり言うと、市街化調整区域と農業振興地域であるが故に、人口を維持するための対策が取れない、ということにあります。
本年1月、まちづくり対策特別委員会で視察した兵庫県姫路市では、特別指定区域制度を導入し、周辺環境と調和した適切な開発行為を行い、既存のコミュニティーの維持を図る取り組みを行っております。同様に長野県では、都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例に基づき、知事が指定する土地の区域に関する運用指針の中で、農山村地域としての活力の維持、健全なコミュニティーの維持・形成等を図る為に、農山村地域の計画的な土地利用に取り組むよう定めております。
長野市としても、県の条例に基づき、市街化調整区域本来の性格を変えない範囲で、地域の実情に応じたまちづくりを推進すべきであります。諸規制から人口対策が難しい地域を対象に「特別指定区域制度」を導入し、コミュニティー維持を図る取り組みを進めるべきではないか、と考えますが、ご所見を伺います。
イ:真島地域にある旧市民体育館跡地は、平成12年から現在までの間、市内で開催される大きなイベントの際のシャトルバス発着地や、臨時駐車場として利用されております。この跡地利用については、これまで、議会や、みどりのテーブル、また、まちづくり会議などから、分譲住宅地として開発することで地域活性化や地域振興につなげて欲しい、といった要望が出されてきました。
しかしながら、平成25年9月に開かれた「元気なまちづくり市民会議」において、長野市の目指すまちづくりの方向性と整合性が取れない、という観点から当初案にあった50数戸の分譲計画が白紙に戻っております。
先ほども述べたとおり、真島地域は様々な規制がある中で、少子高齢化の進展、農家数の減少等から、今後も人口減少が続くことが見込まれているため、地域の活力の低下、地域コミュニティー、地域文化の維持・継承が困難となることが予想されており、早急に何らかの対策が必要だと考えます。
都市計画マスタープランにある「農業的な土地利用が主な地区では、農地保全を図るとともに、体験型農業や6次産業化等の農業振興に必要な施設の立地が可能な土地利用を検討する」、という方針に基づき、改めて、跡地の利用を検討すべきであります。もう少し具体的なイメージについて踏み込んで言えば、長野市の台所である市場団地が隣接しているという立地面での利点を生かし、長野市の食と農を融合した食文化の発信基地を作ることにより、地域振興や農業振興に跡地を利用するべきではないか、と考えますが、ご所見を伺います。
4.本市の公共交通対策について伺います。
平成27年6月に策定された長野市公共交通ビジョンは大変素晴らしいものです。これまでの議会でもこのビジョンに基づき「地域公共交通網形成計画」による利便性の高い公共交通ネットワークを構築し、「地域公共交通再編実施計画」に基づき具体化していくべき、と議論されてきております。早急に青写真を市民に公表すべきだと考えます。
ところで、会派で視察した京都の京丹後市では、200円バス、200円レール、EV乗合タクシー、ささえ合い交通、といった様々な公共交通施策に取り組んでおります。200円バスでは、平成18年10月に、一部路線に上限200円の低額運賃制度を導入し、1年後の平成19年10月には、市内全域に拡大しました。その結果、開始から5年後の平成24年には利用者数が2.3倍に増え、運賃収入は30%増加しました。市の財政面でも、路線バスへの補助金額は平成18年(87,387)と比較して平成23年(68,432)では20%削減するといった大きな効果をもたらしました。つまり、「低額運賃制度導入により、乗車人員を増やし、財政支出を抑える」という施策は、公共交通本来の役割を果たす絶好な実例ではないかと考えます。簡単に言うと、700円で2人に乗車していたものを、7人に200円で利用していただくという、いわば、政策発想の大転換であります。ただし、運賃を低額にすれば利用者数が増えるといった単純なものではありません。そこに至るまでには、住民の利便性向上を通して、行政と運行事業者が共に良くなる道はないのか、と知恵を絞り、現場を歩き、アンケートで利用者の声を聞くなどの様々な取り組みがありました。例えば、利用者ニーズに沿ったダイヤの改正、バス停留所の増設や改善、病院、ショッピングセンターなどの玄関への車両の乗り入れ、フリー乗降区間の拡大、バス路線の見直し等のアイデアを、高校生・老人会と自治会・団体等との対話を積み重ね、具体化したのであります。つまり、行政が主体となり市民、事業者との協働によって、みんなで乗る「公共財」「地域資源」としての公共交通を、みんなで支えるという意識を醸成させていった、ということであります。
ア:そこで本市の現状について伺いますが、昨年9月に開催された「活き生きみんなでトーク更北」の場において、公共交通利便性に向けたデマンドタクシー導入の要望に対し、若里更北線の運用方法と路線見直し等に言及されましたが、今後の取り組みはどのようになっているのでしょうか。真島地域では、区長が中心となり、乗合タクシー等について住民アンケートに取り組んでいるとのことです。地域内での乗合タクシー停留所の新たな設置、運行経路の修正を柔軟にできるよう、また、京丹後市での取り組みを参考に公共交通が持つ機能が十分に発揮できるような体制にすべき、と考えますが、ご所見を伺います。
イ:地域内にある老人福祉センター等への移動が困難な高齢者が増えており、参加を断念するといった悲痛な叫びを聞いております。また、高齢者による交通事故増加が社会問題化しているのは周知のとおりでありますが、先の議会において、免許自主返納について対策すべき、といった提案に対し、具体的な内容に欠ける答弁であった、と受け止めました。
免許自主返納した際のデメリットを上回るメリットを示し、安心して免許を返納できる施策、例えば、タクシーチケット配布等、返納しても移動手段が保てるような施策を示す必要があると考えます。高齢者の交通安全を図りながら、第5次総合計画にある「高齢者の社会参加と生きがいづくりの促進」、という目標を達成する、という観点から、高齢者の足の確保は喫緊な課題であると考えますが、ご所見を伺います。
以上ですが、全体的に前向きな答弁は少なかったのではないか、と受け止めております。➡昨日のブログではこう書きましたが、改めて本日(3/7)、ビデオで答弁内容を確認すると、前向きな答弁が多い、と訂正いたします。これをきっかけに更に地域での生活の利便性の向上、安全な暮らしを作り上げていく私が掲げる「おおらかで ぬくもりのある まち」を目指して取り組んで参ります。
以下、質問原稿を掲載します。(時間の関係で省略した箇所もあります)
1.防災分野
ア: タイムライン(事前防災行動計画)について伺います。
昨年3月に、「長野市洪水タイムライン案」が作成されましたが、その半年後には、タイムラインが実際に運用される事態に直面することになりました。具体的には、8月下旬から10月中旬にかけて上陸した台風第7号、第11号、第9号、第10号が、前線を刺激し大雨となり、長野市内において、避難準備、避難勧告が発令されたからです。タイムラインは、台風などが発生してから上陸するまでの間のそれぞれの役割と「いつ・何を・誰が」の3要素を明確にした対応行動を、細部に渡り規定するものであり、そのポイントは台風や集中豪雨などの場合に、災害が起こった時には既に避難を完了していなければならない、ということにあります。
そこで伺いますが、昨年の台風の際に、「長野市洪水タイムライン案」が目的通りに運用されたのでしょうか、また、運用されたのであれば、その時のオペレーションや定めた内容等について何か改善すべき点があったのか、昨年の実態について伺います。
イ:防災教育について伺います。
先月2月4日に真島小と同校PTAの主催で4年生による防災教育の活動報告会「だんごむし広場」と慶応義塾大学環境情報学部、大木聖子准教授の講演会が開かれました。昨年度と今年度の2年間に渡り、大木先生の研究室と真島小の4年生が連携し、防災教育の取り組みが行われてきました。報告会では、児童が校区内を自ら歩きながら危険な箇所を探して作成した「危険度別防災マップ」と、消火栓が多いなどの「良いところマップ」等が発表され、地区内外から参加した多くの方々が熱心に耳を傾けておりました。また、慶応の研究生からは、保護者に行ったアンケート結果が報告され、一例ですが、非常持ち出し袋を備えた家庭が1年前と比較して3倍以上に増えるなど、児童の防災教育を通じて各家庭の防災意識が高まった、という発表がありました。
大木先生は「長野市には長野盆地西縁断層(セイエンダンソウ)が走っており、地震のリスクが存在している地域であることから、日本一、防災教育に熱心な地域になってほしい」という思いで真島小との防災教育に取り組んだとのお話しをされておりました。また、防災教育の現状について「定められた教科書が無い中で、学校の先生がそれぞれ工夫して授業を行っている。充分な学習時間を確保できないことや、学校の先生自身も、体系だった防災教育を受ける機会がなかったことから、手探りで取り組まれている」と指摘しておりました。
私もこの報告会に参加したことで、水害、震災等、いつどこで起こるか分からない災害から自分の身を守るためには、小学校における防災教育が大変有意義であることを知ると共に、2年目にあたる今年度は、地域の積極的な協力もあり、まさに地域全体への防災教育に繋がっていると感じました。そこで3点伺います。
(1)、学校における防災教育の体制を構築するために、小学校の教職員を対象に、定期的に専門家による防災講座を開催すべきと考えるが如何か。
(2)、真島小学校は、防災おたより「月刊だんごむし」を使い、朝の学活等を利用し、担任の先生による毎月10分間のミニ授業を行ってきた、とのことです。防災教育について、大木先生は、災害発生時に、自分の命は自分で守る、という認識のもと、そのための行動が自然に取れるという基本が身に付くことと、付随して、防災教育を通して子どもの成長を促すとともに、家族で防災について話し合う時間が持てることから、家族全員の防災意識が高まる、といった様々な効果が期待出来るものである、とのお話しでした。私も大変感銘をうけましたが、真島小のような試みを本市のそれぞれの小学校でも取り組むべきではないか、横展すべきではないか、と考えますが如何か。
(3)、更に、長野市における防災教育を根付かせるために、各小学校において、小学生と地域住民を対象にした、専門家による年1回の防災教育講座を持ったらどうか、と考えますが如何か。
以上の通り、小学校を防災活動の拠点として位置付けることは、地域全体の防災意識を高めていくことに繋がる、有効な施策だと考えますが、3点についてご所見を伺います。
2.消防団員支援について伺います。
本市消防団員の待遇改善については、これまで、議会で幾度となく取り上げられておりますが、報酬については依然として、全国平均を2万円弱、下回っております。(分団長 年額50,500円に対し年額36,000円、団員 年額36,500円に対し年額18,000円)、しかしながら、本市としては、平成26年に退職報奨金を一律50,000円に引き上げるとともに、平成27年度には消防団員の報酬を各階級一律に2,000円増額するとともに、また、消防団運営補助金の交付や(一律131,180円に実人員×490円分を加算して補助金として交付)、出動手当の支給などにより、処遇改善に努力されていることは理解しております。
一方、本市の消防団員(条例第2条 団員の定員は、3,430人)の構成実態を見ると、充足率こそ99.5%とほぼ定員を満たしておりますが(3,412人 99.5%)、団員の平均年齢は41.8歳と、所謂、働き盛り、子育て世代、家族との時間を大事にしたい世代の方々が中心となっている、という実態が見て取れます。
同様の観点から、消防団員数と被雇用者団員比率について、平成7年と現在を比較した全国的な数字をみてみると、団員数では(975,512人に対し856,278人と)13%弱減少するとともに、被雇用者団員比率は64,9%から72.9%と8%増加しております。これらの数字から、現在の消防団の多くは、企業や社会の中心となっている被雇用者から構成されていることが分かります。そのためなのか、新規団員の勧誘にあたっては、入団を拒否されたり、また途中で退団される方が増えてきている、といった課題に直面していると聞いておりますが、その理由として、『仕事と両立できない』『プライベートを大事にしたい』などが挙げられております。こうしたことを考えると、これまでの旧来からある、「地域で育まれてきた伝統や個人の崇高な奉仕の精神」だけを頼りにしていては団の維持、運営が困難になるのではないかと危惧しております。最前線で、自分の時間を割きながら活動するためには団員であるご主人、お父さんを支える家族の理解が不可欠だと考えます。実際、日ごろの消防団活動を行うにあたって、家族の理解を得るのにも苦労している、という声を聞いております。家族の理解こそが大事であります。こうした課題に対し、長野県では、『信州消防団員応援ショップ事業』を始めました。
そこで、本市としても、お父さんが、消防団活動をやっていて良かったと家族が感じることができるような支援を、県に上乗せして行ったらどうか、と考えます。具体的には、本市の公共施設利用促進の意味も含めて、芸術館、動物園、博物館、スポーツ施設等を利用する際の割引等であります。
危機事案に対し、危険をかえりみずに取り組んでいただいている団員とその家族に対し、出来る範囲での支援に取り組むべきではないか、と考えますが、ご所見を伺います。
3.次に、都市計画マスタープランについて伺います。
ア: 都市計画マスタープラン素案の中の「地域別街づくり構想」において、川中島・更北地域の土地利用の課題を、①長野南バイパス等の広域的な幹線道路沿いは、店舗等の無秩序な立地による環境の悪化を防止するため、計画的な立地誘導が必要、また、②農地や自然環境と住宅地が調和した土地利用、更に、③農業的な土地利用が主な地区では、農地保全を図るとともに、体験型農業や6次産業化等の農業振興に必要な施設の立地が可能な土地利用を検討する、と整理されております。
その川中島・更北地区に所在する真島地域は、市街化調整区域であるとともに農業振興地域であることから、開発が抑制されております。果樹を中心に農業が盛んな地域でありますが、農業就業者の高齢化が進むなどにより、人口が増加している更北地区内の中でも唯一減少する地域となっております。そのため、地域の将来について、多くの住民が不安を感じているのですが、その不安の要因は、はっきり言うと、市街化調整区域と農業振興地域であるが故に、人口を維持するための対策が取れない、ということにあります。
本年1月、まちづくり対策特別委員会で視察した兵庫県姫路市では、特別指定区域制度を導入し、周辺環境と調和した適切な開発行為を行い、既存のコミュニティーの維持を図る取り組みを行っております。同様に長野県では、都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例に基づき、知事が指定する土地の区域に関する運用指針の中で、農山村地域としての活力の維持、健全なコミュニティーの維持・形成等を図る為に、農山村地域の計画的な土地利用に取り組むよう定めております。
長野市としても、県の条例に基づき、市街化調整区域本来の性格を変えない範囲で、地域の実情に応じたまちづくりを推進すべきであります。諸規制から人口対策が難しい地域を対象に「特別指定区域制度」を導入し、コミュニティー維持を図る取り組みを進めるべきではないか、と考えますが、ご所見を伺います。
イ:真島地域にある旧市民体育館跡地は、平成12年から現在までの間、市内で開催される大きなイベントの際のシャトルバス発着地や、臨時駐車場として利用されております。この跡地利用については、これまで、議会や、みどりのテーブル、また、まちづくり会議などから、分譲住宅地として開発することで地域活性化や地域振興につなげて欲しい、といった要望が出されてきました。
しかしながら、平成25年9月に開かれた「元気なまちづくり市民会議」において、長野市の目指すまちづくりの方向性と整合性が取れない、という観点から当初案にあった50数戸の分譲計画が白紙に戻っております。
先ほども述べたとおり、真島地域は様々な規制がある中で、少子高齢化の進展、農家数の減少等から、今後も人口減少が続くことが見込まれているため、地域の活力の低下、地域コミュニティー、地域文化の維持・継承が困難となることが予想されており、早急に何らかの対策が必要だと考えます。
都市計画マスタープランにある「農業的な土地利用が主な地区では、農地保全を図るとともに、体験型農業や6次産業化等の農業振興に必要な施設の立地が可能な土地利用を検討する」、という方針に基づき、改めて、跡地の利用を検討すべきであります。もう少し具体的なイメージについて踏み込んで言えば、長野市の台所である市場団地が隣接しているという立地面での利点を生かし、長野市の食と農を融合した食文化の発信基地を作ることにより、地域振興や農業振興に跡地を利用するべきではないか、と考えますが、ご所見を伺います。
4.本市の公共交通対策について伺います。
平成27年6月に策定された長野市公共交通ビジョンは大変素晴らしいものです。これまでの議会でもこのビジョンに基づき「地域公共交通網形成計画」による利便性の高い公共交通ネットワークを構築し、「地域公共交通再編実施計画」に基づき具体化していくべき、と議論されてきております。早急に青写真を市民に公表すべきだと考えます。
ところで、会派で視察した京都の京丹後市では、200円バス、200円レール、EV乗合タクシー、ささえ合い交通、といった様々な公共交通施策に取り組んでおります。200円バスでは、平成18年10月に、一部路線に上限200円の低額運賃制度を導入し、1年後の平成19年10月には、市内全域に拡大しました。その結果、開始から5年後の平成24年には利用者数が2.3倍に増え、運賃収入は30%増加しました。市の財政面でも、路線バスへの補助金額は平成18年(87,387)と比較して平成23年(68,432)では20%削減するといった大きな効果をもたらしました。つまり、「低額運賃制度導入により、乗車人員を増やし、財政支出を抑える」という施策は、公共交通本来の役割を果たす絶好な実例ではないかと考えます。簡単に言うと、700円で2人に乗車していたものを、7人に200円で利用していただくという、いわば、政策発想の大転換であります。ただし、運賃を低額にすれば利用者数が増えるといった単純なものではありません。そこに至るまでには、住民の利便性向上を通して、行政と運行事業者が共に良くなる道はないのか、と知恵を絞り、現場を歩き、アンケートで利用者の声を聞くなどの様々な取り組みがありました。例えば、利用者ニーズに沿ったダイヤの改正、バス停留所の増設や改善、病院、ショッピングセンターなどの玄関への車両の乗り入れ、フリー乗降区間の拡大、バス路線の見直し等のアイデアを、高校生・老人会と自治会・団体等との対話を積み重ね、具体化したのであります。つまり、行政が主体となり市民、事業者との協働によって、みんなで乗る「公共財」「地域資源」としての公共交通を、みんなで支えるという意識を醸成させていった、ということであります。
ア:そこで本市の現状について伺いますが、昨年9月に開催された「活き生きみんなでトーク更北」の場において、公共交通利便性に向けたデマンドタクシー導入の要望に対し、若里更北線の運用方法と路線見直し等に言及されましたが、今後の取り組みはどのようになっているのでしょうか。真島地域では、区長が中心となり、乗合タクシー等について住民アンケートに取り組んでいるとのことです。地域内での乗合タクシー停留所の新たな設置、運行経路の修正を柔軟にできるよう、また、京丹後市での取り組みを参考に公共交通が持つ機能が十分に発揮できるような体制にすべき、と考えますが、ご所見を伺います。
イ:地域内にある老人福祉センター等への移動が困難な高齢者が増えており、参加を断念するといった悲痛な叫びを聞いております。また、高齢者による交通事故増加が社会問題化しているのは周知のとおりでありますが、先の議会において、免許自主返納について対策すべき、といった提案に対し、具体的な内容に欠ける答弁であった、と受け止めました。
免許自主返納した際のデメリットを上回るメリットを示し、安心して免許を返納できる施策、例えば、タクシーチケット配布等、返納しても移動手段が保てるような施策を示す必要があると考えます。高齢者の交通安全を図りながら、第5次総合計画にある「高齢者の社会参加と生きがいづくりの促進」、という目標を達成する、という観点から、高齢者の足の確保は喫緊な課題であると考えますが、ご所見を伺います。
以上ですが、全体的に前向きな答弁は少なかったのではないか、と受け止めております。➡昨日のブログではこう書きましたが、改めて本日(3/7)、ビデオで答弁内容を確認すると、前向きな答弁が多い、と訂正いたします。これをきっかけに更に地域での生活の利便性の向上、安全な暮らしを作り上げていく私が掲げる「おおらかで ぬくもりのある まち」を目指して取り組んで参ります。