これからの新型コロナウイルス対策は

鈴木洋一

2021年11月23日 11:36

 本日(11/23)、地元丹波島の於佐加神社において、新穀感謝祭(新嘗祭)が執り行われます。午前中、境内の清掃を行い、午後、秋の稔りを神々に捧げる儀式となります。昨年もコロナ禍の中、祭事が行われましたが、今年も同様、感染対策を徹底しながらの開催となります。午前中の作業も全員マスク着用で、私も眼鏡を曇らせながらの作業となりました。

 新型コロナウイルス新規感染者数が減少傾向にある中、既に、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種に関し、2回目の接種から間隔を原則8カ月以上とする方針が国から示されています。
 長野市においても、3回目接種に向け、作業が進められている状況だと思いますが、体制を整え、速やかに、大きな混乱を生じさせることなく進めていかなければなりません。
 ワクチン3回目接種とともに、これから重要な対策として、抗体カクテル療法や経口治療薬の普及が挙げられると思います。コロナ禍からの脱却に向け、大いに期待したいところです。ここ数日の報道をまとめてみました。

<コロナ対策の4本柱>
 去る11月12日、政府対策本部は、新型コロナウイルスの「第6波」に備え、新型コロナ対策の全体像を決定しました。
全体像は、「医療提供体制の強化」、「ワクチン接種の促進」、「治療薬の確保」、「日常生活の回復」の4本柱で構成され、「第5波」のピーク時に比べて、感染力が2倍になっても対応できる体制を築くことを目的としています。

<経口治療薬の確保>
 コロナ対策の全体像の4本柱の一つとして「治療薬の確保」があります。1薬剤当たり最大約20億円を支援し、経口薬については、年内の実用化を目指し、必要な量を順次納入できるよう企業と交渉を進めている、とのことです。塩野義製薬は、年内の承認をめざし、経口治療薬の海外治験を開始し、ファイザーは新型コロナウイルス感染症の経口薬「パクスロビド」について、米食品医薬品局に緊急使用許可を申請している、との報道ですが、期待したいところであります。

<抗体カクテル療法>
 更に、治療薬確保では、2種類の抗体を同時に点滴で投与する抗体カクテル療法について、軽症から中等症で、かつ重症化リスクがある患者を対象として本年7月に承認、発症7日以内の初期患者に有効とされており、抗体がウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質に結合し、人の細胞に侵入するのを防ぐ、との報告です。7月の段階では、流通が不十分として国が供給をコントロールしていたようですが、症状に応じ、迅速な治療に結びつき、生命が守られることを期待します。
 では、抗体カクテル療法の提供や広報など、全国の自治体における取り組みはというと、東京都保健局は抗体カクテル療法の内容をHPで解説し、更に、11カ国語のコールセンターの存在や副反応の事例も紹介しているほか、神奈川県は、抗体カクテル療法の対象者に3つのパターンで療法を提供できる体制を構築し神奈川モデルと名付け、拠点病院、協力病院を設けて34病院が稼働している、とのことです。(2021年10月15日時点)

<長野市の治療薬確保状況は>
 今年に入り、ワクチン接種が急速に進展し、長野市における11月11日現在のワクチン接種状況をみると、対象者327,750人に対し、1回目接種完了者289、067(88.2%)、2回目接種完了者278、221人(84.9%)で、市内の新規感染者は、確実に減少傾向にあり、ワクチン接種の効果といえる、と思います。
 しかし、長野市として第6波対策はどのように行っているのか、また、どう進めていくのか、について明確にしていかなければなりません。
更に、国における医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、治療薬の確保、日常生活の回復の4本柱に対するそれぞれの政策を如何に進めていくのか、そもそも、長野医療圏域内の病院で、抗体カクテル療法は導入されているか、抗体カクテル療法の効果と副反応事例の収集が行われているのか、長野市として抗体カクテル療法について如何に広報していくのか。
 そして、治療薬が供給された場合に、今後、コロナ対策全体をどのように捉え、進めていくのか等、確認すべき点が多々ありますが、速やかに公表していく必要があると考えます。国の動向を注視しながら、議論を重ね、市民の生命と健康が守れる体制を強化すべく取り組んでまいります。

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