自主防災組織の支援施策について~岡崎市の取り組みから~

鈴木洋一

2019年05月18日 19:49

 行政視察3日目は、愛知県岡崎市の「自主防災組織の支援施策」について。
 視察冒頭、岡崎市作成の地震対策、特に耐震対策の重要性を取り上げたDVDを拝聴させていただいた。南海トラフ地震の発生リスク等から対策出来ることはしっかり対策をしていく必要性が理解できる内容であった。

 岡崎市は、昭和52年から毎年9月1日に大規模な防災訓練を行っていたが、平成20年8月末に発生した豪雨災害で、2名の死者と床上浸水等の大きな被害を受けたことから、それまでのイベント型訓練を大幅に見直し、地域住民主体の訓練へと転換を図っていった。
現在、市内の47小学校区のうち、22消防団管区毎に1学区選定し、22の小学校で訓練を実施しており、①市民が災害時に迅速かつ的確な対応がとれること、②地域及び避難所を住民自らの手により運営し、守っていく意識を根付かせる、ことを目的に行われている。

 平成20年8月末の大きな被害が、岡崎市の自助・共助の土台となっており、市民向けの出前講座も年間200件を超え、防災訓練も各区で500人~1000人規模とのこと。因みに、長野市の市民向け出前講座の開催は年間40件程である。長野市が少ないというよりは、年間200件実施されていることからも市民の意識の高さがうかがえる。住民の意識が高くなければこうした件数は難しい、と考える。

 自主防災組織の支援として、あくまで住民主導で行うが行政として側面的に支えることはもちろんのこと、自主防災組織活動資機材費の補助、地区防災計画策定支援、そして、平成30年度から各学区2名選出で「防災指導員」制度を設ける、といった幅広い。指導員は市が委嘱し岡崎市の非常勤特別職で任期は3年。報酬年額6万円、と地域で防災を専門的に指導する人材育成を本気になって行おうとしている。防災指導員が中心となり各区で異なる防災体制の構築、啓発活動、防災マップ、防災計画策定等、より地域に根差した防災体制の強化を図っていく市の姿勢を強く感じたところである。

 私も、平成27年の初当選以来、防災を大きなテーマに掲げ、議会で質問を繰り返してきた。岡崎市は平成20年の大きな災害を経験し、教訓として防災への取り組みを方向転換し今日に至っているが、昨今の全国各地で発生している大きな災害を長野市としても教訓としながら、災害に強いまちづくりを行っていかなければならない。私も昨年、「防災士」資格を取得した。議会での取り組みはこれまで以上に行っていくが、長野市の各地区の特徴等をしっかり勉強させていただきながら、真の防災対策に取り組む所存です。



 

関連記事