建設企業委員会行政視察(2)

鈴木洋一

2017年05月24日 07:07

 行政視察2日目、岡山県岡山市の取り組み「県庁通り・西川緑道公園筋回遊性向上社会実験」について調査してまいりました。まず、岡山市は平成21年4月に中核市から政令指定都市へと移行、人口72万弱のいわゆる大都市であります。自然増はないものの、社会増がわずかではありますが、広域から多くの人々が訪れるまちづくりを進めております。
 そんな中、岡山市では平成26年に駅前エリアに大型商業施設が新規出店するなどし、江戸時代以降から岡山藩の城下町として古い歴史を持ち、長く商業の中心であった表町エリアの2極化が進み、駅前エリアの集客力を表町エリアなど中心市街地全体へ波及させるための方策に着手しているところです。

 そこで、車中心から人優先のまちづくりに取り組むこととして、駅前エリアと表町エリアを結ぶ県庁通りにおいて、平成27年、28年の2年間にわたり、東進一方2車線の車道を1車線化し、歩いて楽しいまちづくりのための回遊性向上社会実験を行うに至ったわけです。さらに、県庁通りと接続する西川緑道公園筋でも歩行者天国化の社会実験にも取り組みました。
車道の1車線化は概ね1週間、歩行者天国は4回実施することで効果、影響、賑わい、などなど道路空間の再構築を検討するにあたって社会実験の検証を行ったとのことでした。


 1車線化にともない心配された「交通渋滞」では、深刻な渋滞の発生はなかった、また、業者の荷捌きの需要が高かった、「歩行性・走行性」では、自転車走行レーンを設けるなど歩行者にはより安全で快適な歩行空間が保たれ、自転車利用者には特に快適に走行ができたとのことで、「回遊性・賑わい」に関しては、歩行者天国を行った西川緑道公園筋では通行料が10倍以上になるなど回遊性向上、賑わいの創出の効果があったと判断されているようです。そんな中ではありますが、警察関係とのさらなる協議であったり、地元等との協議、歩行者天国では市民主体の運営体制の構築といった課題を今後、どう解決し前に進めていくのかが更に知恵を絞っていかれるとのことでした。

 長野市においても中心市街地の活性化、長野駅ー善光寺間の回遊性、また、郊外へのスプロール化など様々な課題が山積している中で、まずは岡山市のような積極的な社会実験などを通して市民全体でムーブメントを巻きおこせるよう知恵を絞り、かき集めながら取り組んでいかなければなりません。

関連記事