しっかり学ぶ

鈴木洋一

2017年04月21日 11:03

 先日、東京で行われた多摩住民自治研究所主催「よくわかる市町村財政講座」を受講して参りました。
行政を運営していく上で最も重要なのは財政でありますが、私も議員となって1年半、中身について概略は把握していたつもりでも、詳細までじっくり理解するに至っていなかったことから受講をしてきたわけであります。



<主な研修内容>
(1)資料があれば自治体の財政がわかるのか。
総務省版決算カードを用いて予算・決算状況を読み取る。経年的な視点が必要であり、演習では「決算額の推移」、「歳入決算額の構成比の推移」、「歳入の体系」を経年で手書きで記入。

(2)どのようにすれば自治体の財政がわかるのか。
類似団体、都市化、地域特性との比較。総務省版「財政状況類似団体比較カード」を用いて本市の財政状況を比べてみる。これについても細かな数字を手書きで記入することで用語に慣れ親しむとともに各々の関連性を探ることに繋がる。

(3)決算カード、財政状況資料集
(1)と同様に、決算カードを使って「決算収支」、「財政指標」、「歳入、歳出」といった分野を実際に分析表へ書き込むことで理解を深める。手書きすることで「習うより慣れろ」である。また、財政状況資料集では一般会計、公営企業、一部事務組合等の財政状況、実質公債費比率、将来負担比率の財政当局の分析欄をしっかり経年で比較する。



(4)財政の健全化の手掛かりに類似団体比較カードを使う。
類似団体との比較。一例ですが、平成26年度は歳入合計 長野市443,983円に対し、類似団体では394,627円で112.5%。歳出は430,826円に対し383,682円で112.3%。民生費では類似団体と比較すると125,059円に対し151,972円と82.3%。歳出歳入では類似団体を上回るものの民生費は下回っている等、長野市として取り組み等を読み取ることが出来る。つまり、本市の政策との比較が容易となる。

等、人口減少が進む中で一般会計での主な自主財源となる市税への影響、地方交付税の減少傾向、平成27年に公債費発行のピークであったこと、長野市の予測では、平成34年度には収支が逆転と見込まれている、ことなど、今、しっかり財政の中身を見つめなおさなければないと考えます。
 本市のみならず自治体財政を取り巻く情勢はめまぐるしく変化しており、財政危機の中でこれまで通り存続していけるのかが大きな課題です。そうした時代だからこそ、予算議決権を持つ議会は自治体財政に精通していなければなりません。単純に「高い、低い」、「多い、少ない」で数字を見ていくのではなく、「なぜ、こういう数字なのか。なぜこうした違いが出てくるのか」を数字から読み取る力が求められるのではないか。そこから改善に向けた努力を促すこと、例示することで議会としての役割を果たしていく必要があります。




関連記事