先をもしっかり見据えて
本日、市議会福祉環境委員会が開催され、昨年度より議論されている長野市保健所と長野県保健所との共同設置について、調査研究が行われました。本日、保健福祉部より示された現状の長野市保健所における課題として、
(1)専門職(保健所長、獣医師、薬剤師、臨床検査技師等)の確保に苦慮している。
(2)専門職種について、保健所以外の人事異動が難しい。
(3)専門職種について、県は県内10か所への異動による人事交流と情報交換などでス
キルアップを図る機会が多いが、市ではスキルアップの機会が少ない。
といったことが挙げあられました。
共同設置における長野市としてのメリットが上記の課題解決につながる反面で、当然、課題も残っております。例えば、県と市がそれぞれの管轄区域の指揮命令権を持つため、責任の所在を明確にする必要があること、市域を超えた公権力の行使に対して理解が得られるか疑問が残る点、事務の代替執行に必要な専門職種の採用、県から人材支援が得られるか、等があります。
そんな中でも、長野市保健福祉部として共同設置した場合、保健所業務条項数1,323のうち、県保健所との相違点がある条項520のうち、今後、県と協議を必要とするもの、市民サービスが低下するものはゼロ、向上するもの34項目、現状維持のものが486項目と中間まとめとして示されました。業務の相違点があるものの中でも、市保健所が市民サービスの観点から上回っているものについては、原則市の基準に統一する方向で協議をするとの報告があり、本日の段階では、「機関等の共同設置」という手法を用いて、事務の共同処理を行う方向で、県と調整協議を行っていく、という長野市としての方針が示されました。あくまでも市民サービス第一、近隣市町村においてもこれまでのサービス低下を招くことのないようにしなければならないのはいうまでもありません。
午後、長野県広告協会主催公開講演会「世界経済・日本経済と市場展望」に参加。利潤>成長率>利子率、つまり、企業の内部留保が多く、資本が循環していなく利潤が寝てしまっていることが経済成長を妨げている、といった話し、そして、これまでの農業革命、産業革命を経て、AI・IT革命の現在からこれからにかけては「知恵」が必要な時代となる。産業革命で豊かな生活を送ることができるようになった、例えば、1日8時間労働の中で、日本においてもモノづくりを行ってきた。その結果、確かに豊かになったけれどもモノを作りすぎた、モノがあふれていることが働きすぎの弊害ともいえる、という話がありました。業種によっては異なる部分もあると思いますが、働き方の見直しにより余暇の時間が増えることによって、また新しい産業が生まれ、雇用が生まれ、そして所得も増す、といった循環を生み出す時代もそう遠くない未来に訪れるかもしれません。やはり、経済成長は人間が生活していく上で最も重要なことです。時代とともに移り変わる波をしっかり捉え、守るべきものは守りながら、柔軟に対応していかなければならないのかもしれません。
社会が発展し、ひと昔前とは産業の構造も変わり、その反面、人口減少、少子高齢化を迎え、行政においても限りある財源の中で様々な施策を実行していかなくれはならない今、そしてこれからを考えると、実に難しい時代を我々、そして後世代は生きていかなければなりません。今をしっかり見つめ、そして、先をもしっかり見据えながら知恵を絞っていかなければなりません。
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