初めての管外行政視察
2016年01月23日
鈴木洋一 at 11:08 | Comments(0) | 活動
1月20日(水)~22日(金)、市議会総合計画調査研究特別委員会9名で行政視察に行ってまいりました。私にとっても初めての行政視察であり事前準備等でも慌ただしかったのですが、大変勉強になる視察となりました。
まず、長野市は、平成19年度を初年度として来年度の平成28年度を目標年次とする第四次長野市総合計画において「~善光寺平に結ばれる~人と地域がきらめくまち“ながの”」を将来像に掲げ、その実現に向けて進められています。既に、人口減少の局面を迎えるとともに、人口構成が変わるなど、今までにない大きな変化が起こっている中で平成29年度を初年度とする新たなまちづくりの指針となる第五次長野市総合計画等を策定しているところであります。
今回は、総合計画及び連携中枢都市圏について先進市である熊本市、姫路市、尼崎市の3市を視察させていただきました。各市で規模も異なる部分もありますが、簡単ではありますが、ご報告いたします。
1月20日(水)
熊本市視察
<熊本市第6次総合計画の取り組みについて>
熊本市第6次総合計画は平成21年度~平成30年度にかけて実行中。
平成26年12月に市長が変わり、市長が選挙の際に掲げたマニフェストを途中盛り込んだ形で行われている。
まちづくりの基本理念として『湧々都市熊本』~九州の真ん中!人ほほえみ 暮らしうるおう 集うまち~を掲げ7つの重点的取り組みの下で分野別施策を掲げている。
計画期間の中間年にあたる平成25年度に全体的に見直しを実施し、熊本市を取り巻く状況の変化を鑑み強化する取り組みとして1.定住促進 2.少子化対策 3.交流人口の増加3つのことを挙げている。加えて、平成24年に政令指定都市となったことを受け、区別計画及び危機管理を新たな項目として取り組んでいる。
区別計画については2,000万/区で自由に使えるとして5つある区の特色を生かしたまちづくりを推進している。
第6次計画における成果と課題としては、先の7つの重点的取り組みの達成度を基にした評価では、Aランク1つ、Cランクが3つ、Dランク3つと厳しい評価をしている。Aランクとしているが観光客の満足度では目標値80を上回る86(平成26年度)としている。
達成度に低い施策の中で、自家用車を使わずに出かけることが多くなったと感じる市民に割合、つまり、公共交通の充実に関しては市としても利便性に向上を中心とし公共交通形成計画にて解決を図っていくとの方針である。
熊本市第7次総合計画(平成28年度~平成35年度)策定にあたり広く市民の意見を反映する手法を講じている。市民ワークショップ、区ごとのワークショップ、市内18か所における市民懇話会、中高生ワークショップなど積極的に市民意見を聴取し政策・施策に反映する仕組みを取ることが第6次までとの大きな相違点としている。
長野市においてもPB、審議会に留まることなく広く意見を聴取する手法を積極的に採用すべきではないか。また、熊本市では計画の推進体制について事業の見直しや廃止、予算算定、人事配置に適切に反映されていなく、評価制度の効果的かつ適切な運用を課題としており、長野市においても今日までの総合計画についての推進体制自体を更に検証すべきではないかと考える。
(熊本市議会議場内、演台の高さは手元で調整が可能)
1月21日(木)
兵庫県姫路市
<播磨圏域連携中枢都市圏構想について>
播磨圏域連携中枢都市圏形成について、平成25年3月より研究会を立ち上げ姫路市が幹事市となり総務省に対し財政措置を要望してきた経緯を踏まえ、まさに連携中枢都市都市圏構想のパイオニア的な自治体である。
平成27年2月には「連携中枢都市宣言」、4月に連携中枢都市圏形成に係る連携協定を7市8町と締結している。
そんな中で、播磨圏域の経済の活性化、圏域の魅力の向上、住民に安心快適な圏域づくりに取り組みながら、人口減少社会でも光り輝く播磨圏域を目指し連携中枢都市制度を推進している。
経済成長戦略については最先端科学技術施設を軸に革新的技術、新素材及び新製品の開発につなげながらものづくりの強化を図り、一方で企業誘致に取り組むことにより産業振興、雇用の創出を圏域全体で図っている。雇用の確保は外せないという理念を持っている。
成果としては、公共施設の利用についての交流が進み、更に、小中学生が無料で利用できるなど圏域全体として生活関連サービスが向上した面もある。
しかしながら、市民が望む雇用環境には施策として追いついていないことも現実的な課題としている。また、連携中枢都市圏を持続していく上で、国の動向について財政面から不安視するなどの側面も持ち合わせている。また、市民にとって連携中枢都市圏がどのようなメリットを与えているのか、まだまだ周知が充分とはいえない部分もある。
連携中枢都市圏を進めていく上で、市町毎の体制が異なる上、職員の意識等で温度差があることが施策面での濃淡があり連携が実務的に難しい場面もあり今後推進体制を維持強化していく上で課題となる。そうしたことを踏まえれば、まずは、出来ることからやっていく、少しずつでも効果を出しながら市民に発信していきながら進めていくという姿勢であろう。
先の労働環境については、圏域内においては全国的にも比較的恵まれた圏域であるところは姫路市としても認識している上で、市民としては更なる上昇を望んでいる気風があるとのこと。
(今回視察した3市では、それぞれ議会棟がある)
1月22日(金)
兵庫県尼崎市
<第5次尼崎市総合計画について>
平成25年度~34年度の10か年での第5次総合計画実施中。第4次にて平成4年度から37年度の35か年での計画を策定したが第5次では第3次までと同様の10か年とした。
尼崎市域の36%が工業系用途地域であり企業との結びつきが強い自治体である。
尼崎市では昭和45年をピークに人口減少、少子高齢化が他市と比較しても進行しており、中でも子育て世帯の減少、ひとり暮らし、また、高齢者世帯の増加が加速している現状の中で、特に子育て世帯の減少に関しては、尼崎市としての大きな課題を抱えていると思われる。毎年行っている市民アンケートにも表れているように、重要度が高いにも関わらず満足度が低い項目として、学校教育・子ども子育て支援・生活安全・就労支援の子育て世帯にとっては最も重要な項目への積極的な取り組みを期待したい。気になるのは生活安全について、治安という言葉が使われていた。子育て世帯がまちの治安に対し不安を持ちながら暮らすことへの対策を強化すべきではと感じる。
尼崎市としても合計特殊出生率の向上(自然増)は難しいという認識でおり、そうしたことから社会増に期待し、若い世帯の収入を増やすという施策も考えているようだが、平成22年度の尼崎市の完全失業率が7.5%で、40歳未満の完全失業率がそれを上回る8.2%(全国概ね5%)への対策には更に踏み込んだ施策も必要ではと感じる。
施策の評価を毎年度行っており、効果や課題、進捗度を点検・確認し、市長が重点化施策を決定し予算に反映させるといった手法をとっている。また、第5次総合計画ではこれまでの行政主体から市民・事業者・行政が基本的な考えを共有しならが進め、ありたいまちづくりの実現に向け施策ごとにマトリックス型にて進めていくということなので、そうしたきめ細かな取り組みを生かし、市全体として人口減少、少子高齢化に向けての市民意識との乖離がある施策(上述)を重点課題とし更なる取り組みが必要ではないか。
39名の尼崎市総合計画審議会委員には12名の市議会議員を加えて構成されている。
以上のように3市三様ではありますが、それぞれの地域の特性も異なりますが、大事なのは市民が総合計画や連携中枢都市圏構想の実現により希望の持てるまち、安全に安心して暮らせる、これからも暮らしていきたいまちとならなければいけません。私も議員としてしっかり検証を行い、市民益に適うものとすべく取り組んでまいります。
まず、長野市は、平成19年度を初年度として来年度の平成28年度を目標年次とする第四次長野市総合計画において「~善光寺平に結ばれる~人と地域がきらめくまち“ながの”」を将来像に掲げ、その実現に向けて進められています。既に、人口減少の局面を迎えるとともに、人口構成が変わるなど、今までにない大きな変化が起こっている中で平成29年度を初年度とする新たなまちづくりの指針となる第五次長野市総合計画等を策定しているところであります。
今回は、総合計画及び連携中枢都市圏について先進市である熊本市、姫路市、尼崎市の3市を視察させていただきました。各市で規模も異なる部分もありますが、簡単ではありますが、ご報告いたします。
1月20日(水)
熊本市視察
<熊本市第6次総合計画の取り組みについて>
熊本市第6次総合計画は平成21年度~平成30年度にかけて実行中。
平成26年12月に市長が変わり、市長が選挙の際に掲げたマニフェストを途中盛り込んだ形で行われている。
まちづくりの基本理念として『湧々都市熊本』~九州の真ん中!人ほほえみ 暮らしうるおう 集うまち~を掲げ7つの重点的取り組みの下で分野別施策を掲げている。
計画期間の中間年にあたる平成25年度に全体的に見直しを実施し、熊本市を取り巻く状況の変化を鑑み強化する取り組みとして1.定住促進 2.少子化対策 3.交流人口の増加3つのことを挙げている。加えて、平成24年に政令指定都市となったことを受け、区別計画及び危機管理を新たな項目として取り組んでいる。
区別計画については2,000万/区で自由に使えるとして5つある区の特色を生かしたまちづくりを推進している。
第6次計画における成果と課題としては、先の7つの重点的取り組みの達成度を基にした評価では、Aランク1つ、Cランクが3つ、Dランク3つと厳しい評価をしている。Aランクとしているが観光客の満足度では目標値80を上回る86(平成26年度)としている。
達成度に低い施策の中で、自家用車を使わずに出かけることが多くなったと感じる市民に割合、つまり、公共交通の充実に関しては市としても利便性に向上を中心とし公共交通形成計画にて解決を図っていくとの方針である。
熊本市第7次総合計画(平成28年度~平成35年度)策定にあたり広く市民の意見を反映する手法を講じている。市民ワークショップ、区ごとのワークショップ、市内18か所における市民懇話会、中高生ワークショップなど積極的に市民意見を聴取し政策・施策に反映する仕組みを取ることが第6次までとの大きな相違点としている。
長野市においてもPB、審議会に留まることなく広く意見を聴取する手法を積極的に採用すべきではないか。また、熊本市では計画の推進体制について事業の見直しや廃止、予算算定、人事配置に適切に反映されていなく、評価制度の効果的かつ適切な運用を課題としており、長野市においても今日までの総合計画についての推進体制自体を更に検証すべきではないかと考える。
(熊本市議会議場内、演台の高さは手元で調整が可能)
1月21日(木)
兵庫県姫路市
<播磨圏域連携中枢都市圏構想について>
播磨圏域連携中枢都市圏形成について、平成25年3月より研究会を立ち上げ姫路市が幹事市となり総務省に対し財政措置を要望してきた経緯を踏まえ、まさに連携中枢都市都市圏構想のパイオニア的な自治体である。
平成27年2月には「連携中枢都市宣言」、4月に連携中枢都市圏形成に係る連携協定を7市8町と締結している。
そんな中で、播磨圏域の経済の活性化、圏域の魅力の向上、住民に安心快適な圏域づくりに取り組みながら、人口減少社会でも光り輝く播磨圏域を目指し連携中枢都市制度を推進している。
経済成長戦略については最先端科学技術施設を軸に革新的技術、新素材及び新製品の開発につなげながらものづくりの強化を図り、一方で企業誘致に取り組むことにより産業振興、雇用の創出を圏域全体で図っている。雇用の確保は外せないという理念を持っている。
成果としては、公共施設の利用についての交流が進み、更に、小中学生が無料で利用できるなど圏域全体として生活関連サービスが向上した面もある。
しかしながら、市民が望む雇用環境には施策として追いついていないことも現実的な課題としている。また、連携中枢都市圏を持続していく上で、国の動向について財政面から不安視するなどの側面も持ち合わせている。また、市民にとって連携中枢都市圏がどのようなメリットを与えているのか、まだまだ周知が充分とはいえない部分もある。
連携中枢都市圏を進めていく上で、市町毎の体制が異なる上、職員の意識等で温度差があることが施策面での濃淡があり連携が実務的に難しい場面もあり今後推進体制を維持強化していく上で課題となる。そうしたことを踏まえれば、まずは、出来ることからやっていく、少しずつでも効果を出しながら市民に発信していきながら進めていくという姿勢であろう。
先の労働環境については、圏域内においては全国的にも比較的恵まれた圏域であるところは姫路市としても認識している上で、市民としては更なる上昇を望んでいる気風があるとのこと。
(今回視察した3市では、それぞれ議会棟がある)
1月22日(金)
兵庫県尼崎市
<第5次尼崎市総合計画について>
平成25年度~34年度の10か年での第5次総合計画実施中。第4次にて平成4年度から37年度の35か年での計画を策定したが第5次では第3次までと同様の10か年とした。
尼崎市域の36%が工業系用途地域であり企業との結びつきが強い自治体である。
尼崎市では昭和45年をピークに人口減少、少子高齢化が他市と比較しても進行しており、中でも子育て世帯の減少、ひとり暮らし、また、高齢者世帯の増加が加速している現状の中で、特に子育て世帯の減少に関しては、尼崎市としての大きな課題を抱えていると思われる。毎年行っている市民アンケートにも表れているように、重要度が高いにも関わらず満足度が低い項目として、学校教育・子ども子育て支援・生活安全・就労支援の子育て世帯にとっては最も重要な項目への積極的な取り組みを期待したい。気になるのは生活安全について、治安という言葉が使われていた。子育て世帯がまちの治安に対し不安を持ちながら暮らすことへの対策を強化すべきではと感じる。
尼崎市としても合計特殊出生率の向上(自然増)は難しいという認識でおり、そうしたことから社会増に期待し、若い世帯の収入を増やすという施策も考えているようだが、平成22年度の尼崎市の完全失業率が7.5%で、40歳未満の完全失業率がそれを上回る8.2%(全国概ね5%)への対策には更に踏み込んだ施策も必要ではと感じる。
施策の評価を毎年度行っており、効果や課題、進捗度を点検・確認し、市長が重点化施策を決定し予算に反映させるといった手法をとっている。また、第5次総合計画ではこれまでの行政主体から市民・事業者・行政が基本的な考えを共有しならが進め、ありたいまちづくりの実現に向け施策ごとにマトリックス型にて進めていくということなので、そうしたきめ細かな取り組みを生かし、市全体として人口減少、少子高齢化に向けての市民意識との乖離がある施策(上述)を重点課題とし更なる取り組みが必要ではないか。
39名の尼崎市総合計画審議会委員には12名の市議会議員を加えて構成されている。
以上のように3市三様ではありますが、それぞれの地域の特性も異なりますが、大事なのは市民が総合計画や連携中枢都市圏構想の実現により希望の持てるまち、安全に安心して暮らせる、これからも暮らしていきたいまちとならなければいけません。私も議員としてしっかり検証を行い、市民益に適うものとすべく取り組んでまいります。